三井不動産がベンチャー向けオフィスビルを開業、吹き抜け構造で開放感を演出プロジェクト(2/2 ページ)

» 2020年12月18日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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リラックスルームには酸素カプセルを配置

 2階〜5階には、専有部を配置しており、2階にはリラックスルームや会議室、プレゼンテーション用とブレインストーム用のミーティングスペースを設けた。リラックスルームは、テナントが無料で使え、酸素カプセルを1台とマッサージチェアを3台設置している。2階の会議室は、施設内の会議室で最も広く、面積は85平方メートルで、30分あたり1800円で使える。

リラックスルームの酸素カプセル
最も広い2階の会議室
専有面積が約396平方メートルの5階の専有部

 6階には、200席を備えたコワーキングスペースと共用ラウンジ、コンシェルジュカウンターを配置し、両エリアとも入居者のみが利用可能。コワーキングスペースは、入居者に提供される専用のQRコードでセキュリティゲートを開き使用する。共用ラウンジは、休憩スペースとして活用でき、共用ラウンジは1時間あたり1万円で貸し切れる。

テラスを備えた6階のコワーキングスペース
共用ラウンジ

 「会議室とコワーキングスペースはスマートフォンの専用アプリで予約が行える。コワーキングスペースは、将来的に地域住民も使えるようにする可能性があるが、コロナ禍の現状を踏まえて、当面は入居者のみが利用する。アトリウムとラウンジの貸し切りはコンシェルジュカウンターで進められる」(小林氏)。

 建物のBCP対策に関して、館内の全エレベーターは、地震時に停止した場合、自動で安全性を確認し、復旧と運転を再開。断水時には、上水と雨水再利用水を3日間供給する。

 停電時には、非常用発電機が起動し、エレベーターの1基を駆動して、共用部の照明における4分の1を点灯し、専有部に取り付けられたドアの電源を確保して、トイレへ水を配水する電力も供給する。専有部にも1平方メートルあたり10ボルトアンペアの電力を送るため、貸付面積200平方メートルのケースでは36台のノートPCが使える。

 電源設備は、電力会社が保有する2カ所の変電所から各1系統の電力を引き込む「2回線受電方式」を採用しており、回線の1つが断線しても、他の回線から受電できる。被災時には食料、飲料水、医療品などの備蓄を各テナントに1日分を提供する。

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