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» 2020年12月04日 06時00分 公開

ロボット:大和ハウスに採用された片足2キロの軽量アシストスーツ、2021年に外販開始

アルケリスとサンコロナ小田、大和ハウス工業の3社は、建材製造の立ち仕事で作業者の身体的負担を軽減するアシストスーツを開発した。旧モデルと比べると、炭素繊維複合材料を採用して軽量化を図っており、既に大和ハウス工業の全国9工場に37台が導入され、2021年1月には企業向けの外販も予定している。

[BUILT]

 ニットーからスピンオフして設立されたスタートアップ企業アルケリスと、サンコロナ小田、大和ハウス工業は、製造現場での立ち作業の負担を軽減するアシストスーツ「アルケリスFX」を開発し、2020年10月から大和ハウス工業の全国9カ所ある建材の製造工場に順次導入している。

「Flexcarbon」を採用し旧モデルよりも軽量化

「アルケリスFX」
「アルケリスFX」を着用しての作業

 住宅・建設業界では、人手不足の深刻化とともに高齢化の進行が大きな課題となっている。戸建て住宅や事業施設などの建築部材を生産する工場でも作業員の身体的負担は甚大で、雇用確保の観点からも労働環境の向上が急務となっている。とくに、鉄骨製品の溶接・組み立て加工などの作業は、完全なロボット化が難しく、人手に頼らざるを得ない作業があり、中腰姿勢が続くことで腰への疲労の蓄積が問題となっている。

 そこで、ニットーが2018年11月に開発した医療従事者の立ち作業を支援するアシストスーツ「アルケリス」の企画・開発・販売を引き継いだアルケリスが中心となり、長時間の中腰姿勢や立ち作業を支援するアルケリスFXを開発した。

 アルケリスFXは、立ち作業に掛かる負荷を軽減するアシストスーツで、作業員が中腰姿勢になると、一定の角度で膝を固定し、椅子に座っているような状態を保つ。これにより、立ち姿勢の維持や腰の曲げ伸ばし時に動かす脊柱起立筋の活動量を最大33%も抑えられるという。また、モーターなどの駆動部を備えていないため、電力を消費することも無い。

 アルケリスFXは、医療従事者の立ち作業を支援するアルケリスをベースにしており、2019年11月から大和ハウス工業の工場でも導入していたが、片足だけで約3.2キロの重さがあり、移動作業を伴う製造現場では、運用上の課題もあった。そのため、製造現場の作業員向けに改良すべく、サンコロナ小田が開発した軽量かつ高強度の炭素繊維複合材料「Flexcarbon」を採用し、40%の軽量化に成功した。これにより、重さが片足あたり約2キロとなったことで、高齢者や女性作業員など多様な人財が活躍できる職場環境の醸成につなげられると期待されている。

「アルケリスFX」を着用しての作業

 今後は、サンコロナ小田と大和リースを販売パートナーに、個人消費者を除き企業を対象にして2021年1月から販売を開始する。ラインアップは、身長160〜185センチに対応したMサイズ(許容荷重80キロ)と145〜165センチのSサイズ(同65キロ)。価格は49万8000円(税別)の予定で、初年度110台、2年目には350台、3年目には1000台の販売目標を掲げる。

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