デンマークのロボットメーカーUVD Robotsは、自律走行型のロボットと「UVC 光除菌ランプ」を組み合わせた自動殺菌ロボット「UVD Robots」を開発した。2019年秋には、国内販売代理店のカンタム・ウシカタがUVD Robotsを発売し、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、大手ゼネコンからの引き合いも増えている。
カンタム・ウシカタは、住宅の設計・施工や修繕、管理に役立つソリューションが一堂に会した専門展「住宅ビジネスフェア2020」(会期:2020年9月24〜25日、東京ビッグサイト)に出展し、商業施設や医療機関、工場などで、細菌やウイルスの殺菌に役立つ紫外線(UVC)光除菌ロボット「UVD Robots」を訴求した。
UVD Robotsは、ウイルスや細菌を99.99%殺菌可能なUVC光を照射する「UVC 光除菌ランプ」を搭載した自律走行型のロボットで、デンマークに本社を構えるUVD Robotsが開発した。機体の下部にある自立走行型のロボットは、装着したセンサーで人や障害物を自動回避しつつ、取り付けられたUVC 光除菌ランプで、指定したエリアを自動殺菌する。
ロボットの操作は、スマートフォンやタブレットで使える専用アプリで行える他、あらかじめ走行ルートをプログラミングすることで、操縦者無しで任意のエリアを走らせられる。また、ロボットが、自動で自己位置を推定し、対象物に接近して、10分間の除菌作業を行うように設定できる。
UVC 光除菌ランプが照射するUVCの除菌原理は、UVCが、ウイルスや細菌のDNAとRNAに吸収された後、取り込まれた細胞のDNA組織にあるらせん構造を破壊し、二重体(シクロブタンビリミジン)を形成して、ウイルスや細菌の生殖能力を奪い、死滅させる。UVC光は人体には有害なため、UVD Robotsは、人が近づくとセンサーが感知して、UVC 光除菌ランプによるUVC光の照射を停止する仕様になっている。
カンタム・ウシカタの担当者は、「当社は、2019年秋にUVD Robotsの国内販売を開始し、新型コロナウイルス感染症にも有効なことが評価され、2020年1〜2月に売上が拡大した。2020年5月に、大林道路が、福島県双葉郡大熊町で進めている“大熊5工区土壌貯蔵施設など工事”の事務所から受託した殺菌業務にUVD Robotsを導入して以降、建設会社からの引き合いが増加している。既に、各スーパーゼネコン向けに、UVD Robotsの実演とプレゼンが終了しており、好意的な意見が届いている」と説明した。
UVD Robotsの重さは140キロで、稼働時間は2.5時間。バッテリー充電時間は最長8時間で、急速チャージャーの使用により充電時間を3時間に短縮可能。最高走行速度は時速5.4キロで、除菌対応範囲は360度。除菌時間は、25平方メートルの空間で8分、500平方メートルのスペースで30分。UVC 光除菌ランプに使うUVCランプの寿命は1万2000時間と長寿命。安全対策としてソフトウェアとセンサーベースの非常停止ボタンを本体に設置している。
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