応用地質が斜面を対象に、災害リスクをレポート化するサービス開始製品動向

応用地質は、自然斜面の他、切土や盛土、法面といった人工的な傾斜地を含むあらゆる斜面の危険度を自動で診断し、リスクレポートを作成するサービスを展開している。レポートを活用すれば、企業の保有する不動産や事業用地を対象にしたリスク評価、事業継続計画(BCP)の策定にも役立つとしている。

» 2020年08月25日 08時00分 公開
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 応用地質は、自然または人工を問わずあらゆる斜面の土砂災害などのリスクを自動診断して、防災対策に役立てられるレポートサービスを2020年7月から本格的に開始した。

斜面リスクをカンタンかつ低価格で自動診断

 近年は、地球温暖化の影響により、集中豪雨に伴う土砂災害などの被害が全国で増加している。そのため、国土の7割が山地や丘陵地で占めらる日本では、大規模地震による被害も考慮すると、斜面災害のリスクが年々高まっている。

 こうした状況を踏まえ、応用地質では、斜面リスク情報を誰もが簡単に入手し、防災対策の判断に応用できる「斜面リスクレポート」サービスを開始した。斜面リスクレポートは、長年にわたり蓄積してきた地質や地形のデータベースと斜面災害メカニズムに関する技術的知見を土台に、日本全国に存在する危険斜面のリスク情報を低価格かつスピーディーにレポート形式で提供する。ユーザーは、専用ページから対象斜面の位置情報を入力すれば、インターネット経由で即座にレポートを入手することができる。

斜面リスクレポートのページサンプル 出典:応用地質

 レポートに記載される情報は、対象斜面の地形、対象地付近の地質の種類や特徴、地すべり危険性、土砂災害防止法に基づく土砂災害特別警戒区域などの有無、最も近い活断層との距離と影響度、地震時の揺れやすさと崩壊のしやすさの6つ。

 主な用途としては、周辺に斜面がある工場などの事業用地での事業活動と財務に及ぼすリスク評価をはじめ、太陽光発電メガソーラーや風力発電の事業リスク予測、企業が保有する不動産やリート資産の価値算定、道路や鉄道法面の安全性評価、事業継続計画(BCP)の策定などが想定されている。

 斜面リスクレポートの利用料金は、1レポートあたり7万円。レポートのダウンロードサービスだけでなく、専門技術者による現地診断や現地の地質調査に基づく詳細なリスク算定など、オプションサービスも用意されている。

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