応用地質とみずほ情報総研は、「地質分野におけるAI(人工知能)活用に関する」アドバイザリー契約を締結した。新たなビジネスの創出も視野に、両社は共同でAIを主軸とするテクノロジーで、地盤関連の解析技術などの開発を急ぐ。従前からテクノロジーによる事業戦略を推し進めてきた応用地質は、強力なバックアップを得て、“AI”領域に注力する。
応用地質とみずほ情報総研は、地質分野におけるAI(人工知能)活用に関するアドバイザリー契約を締結したと発表した。新たなビジネスの創出も視野に、両社は共同で、AIによる地盤関連情報の解析技術などの開発を急ぐ。
今回の提携で、応用地質が創業以来培ってきたノウハウや集積してきた地盤関連情報などを取り入れた革新的なサービスや商品の開発を、みずほ情報総研はリサーチやコンサルティング面で支援していく。
みずほ情報総研は、AIやIoTを活用したデジタルイノベーションの動向調査を行い、膨大な知見を蓄積している。それらが将来的にもたらす社会変革(デジタルトランスフォーメ―ション)のインパクトを十分に予測した上で、コンサルティング対象各社が取り組む戦略策定や政策立案、個別の事業推進と、その基本となる研究開発を総合的に支援する幅広いソリューションを提供している。この中には、テクノロジーを活用した新たなビジネスの創出やオープンイノベーション実現に向けたサポートもあり、応用地質の中期経営計画「OYO Jump18」の中で掲げる新たな市場創出の取り組みに向けた施策をリサーチやコンサルティング面で支援する。
両社の連携により、とくにAI解析技術を使った新サービスの開発に注力し、企業業績向上の原動力にするとともに、建設業界のビジネスそのものを抜本的に変革して、国土強靭化や自然災害による被害の最小化につなげる取り組みを推進していく。
具体的に、応用地質が計画しているAIを活用した技術開発では、「3次元地盤モデル」と、「災害危険箇所抽出モデル」がある。
このうち、3次元地盤モデルの開発は、さまざまな地盤情報を元に、地盤構造の特徴をAIによる機械学習で抽出。その地盤データを基にして、地下空間を3次元モデルとして可視化する。データソースとなるのは、一般的に公開されている地盤情報、3次元物理探査データ、専門技術者の知見で、これらを活用して素早くモデル構築するシステムの開発を目指す。
災害危険箇所抽出モデルは、衛星を活用した変位観測データと地形図、空中写真、地質図、災害履歴などの既往データから、危険な場所の特徴や災害発生の傾向を学習。災害が起きやすい箇所を自動的に抽出する技術を確立するものだ。いずれの技術開発も、AIなどの機械学習と、IoTを駆使した観測技術の効率化が不可欠となる。
応用地質は中期経営計画で、次世代のビジネスの基盤となる「地盤情報ICTプラットフォームの構築」を掲げている。他にも、「業務効率化領域」「社内ナレッジ/汎用データ集約領域」「サービスビジネス拡大領域」の3つの領域で、AIやIoT、クラウドコンピューティングを活用した業務改善と技術戦略の進展を打ち出し、グループのサービスと商品を「根本から変革させる」ことを標ぼうする。
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