新日本空調は、ICTおよびIoTを用いた環境測定用の無線センシングシステム「Wi-Musu(ワイムス)」の機能拡充について発表。新たにクラウドを介したリアルタイム遠隔監視機能を開発および付加したという。常時現場に滞在せずに、事務所から現場における計測状態の把握が可能だ。
新日本空調は2020年6月30日、環境測定用の無線センシングシステム「Wi-Musu(ワイムス)」の機能拡充について発表した。Wi-Musuは、ICTおよびIoTを用いて、空調設備の引き渡し前の環境測定作業の省力化を目的としたシステム。多点同時計測をすることで刻々と変化する空調空間のさまざまなデータ取得で、かつリアルタイムに見える化および記録が可能だ。
同システムは2019年1月から現場での実証実験を実施。今回の発表では、実証実験の結果を踏まえて通信装置を改善し、新たにクラウドを介したリアルタイム遠隔監視機能を開発および付加したことを明かした。
新システムにはLTE通信機能を備え、かつ自動送信する無線中継器(以降、ゲートウェイ)に変更した。新たなゲートウェイは最大50台の現場計測ユニット(子機)と無線で中継・接続が可能だ。1台のゲートウェイで、最大50台、250ポイントの計測値を、最短1秒間隔でリアルタイムに収集可能だ。例えば現場が工事中で、有線の通信環境や電源環境が整わない場合も簡単に使用できるように、全ての通信は無線を用いる。
集約したデータは本体へロギングでき、かつクラウドへのデータ自動送信も可能だ。クラウドに蓄積したデータはWebブラウザから閲覧および共有でき、Webアプリも開発した。遠隔監視画面には、最新の計測値やシステムの稼働状態を表示でき、時刻やポイントを指定して任意のグラフ描画も可能だ。
今回実装した新機能により、現場に赴かなくても現場事務所や本社・支店から計測状態の確認や動作検証などが可能となった。ゲートウェイ本体とクラウドのデータベースの両方にデータ蓄積が可能であることから、計測データ損失のリスクが大幅低減できるという。また施工の省力化と、計測とデータ処理時間の短縮も期待できるとしている。
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