野村不動産が殺菌装置や床放射空調システム搭載のオフィスビルを開業プロジェクト(1/2 ページ)

野村不動産は、従業員10人未満の会社を対象としたオフィスビルブランド「H1O」の開発を進めている。2022年度までに、東京都心5区(渋谷区・新宿区・中央区・千代田区・港区)を中心とし、15拠点を開設する予定だ。

» 2020年07月27日 07時00分 公開
[BUILT]

 野村不動産は、従業員10人未満の会社を対象としたオフィスビルブランド「H1O」の第3弾として、シリーズ初の1棟開発型拠点「H1O 日本橋小舟町」を2020年5月15日に開業した。

床放射空調システムで室内の温度を一定に

 H1O 日本橋小舟町は、RC造地上8階建てで、延べ床面積が2950.53平方メートル。所在地は東京都中央区日本橋小舟町8-6で、用途は事務所。

 建物の各窓面には、ルーバーと柱梁(ちゅうりょう)を設置することで、日陰を作り出している。創出した日陰の効果で、太陽光の日射熱が直接室内に進入しないため、空調の負荷が少なく、窓回りが過ごしやすい。

 各フロアには、RC造の利点を生かすため、二重床を利用した床放射空調システムを採用している。システムは、24時間空調を行うことで、床や壁、天井、デスクといった備品の温度を一定に保つ。現在実証実験で、24時間空調と間欠運転を比較して、24時間空調の省エネルギー性を検証している。

床放射空調システムのイメージ(左)と空調環境の安定性を示すサーモグラフィー 出典:野村不動産

 また、外気の影響を受ける窓に、床下から冷気や暖気を吹き上げることで、ルーバーでカットした日射負荷をさらに取り除け、室内環境の安定に役立つ。

 オフィスビルの中心には、中庭「エコ・VOID」を設けることで、全専有個室の採光と通風を確保するとともに、2階に位置する2つの共用ラウンジや廊下に外光と外気を誘導している。

 専有個室にはそれぞれ開閉可能な窓を配置し、自然通風を可能にしている。居住者は、温度ムラを低減した部屋で、好きな時に窓を開けて、気分転換が行える。

エコ・VOIDのイメージ 出典:野村不動産

 屋上テラスは、電源コンセントやWi-Fiといった通信環境を完備している上、ストレスの減少に役立つ「バイオフィリックデザイン」の考え方を基に構築しているため、リフレッシュしやすいスペースになっている。

屋上のテラス 出典:野村不動産
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