三井住友建設は、新型コロナウイルス感染症対策として、社長を責任者に据えた緊急対策本部を設置し、独自に開発したマスク「フェースカバリング」を全国の現場で導入する方針を示している。
三井住友建設は2020年6月5日、熱中症のリスクを低減し、飛沫(ひまつ)の拡散を効果的に抑えるマスク「フェースカバリング」を全現場で導入すると公表した。
同社では、夏場の屋外作業でのマスク着用は熱中症の発生につながり、危険性があることを踏まえ、新日本空調の協力を得て、身近な材料を使用し、飛沫の拡散と熱中症の発生を抑制するフェースカバリングを製作した。製造したフェースカバリングの性能は2020年4月末に、新日本空調の微粒子可視化システム(ViEST)で確認されている。
開発に際しては、多様な形状や素材、寸法で試作を重ね、現場でのあらゆる装着方法を想定して、ViESTを使い実証実験を行った後、現場にも試験導入して効果を検証した。
2020年5月4日に厚生労働省が公表したガイドライン「新しい生活様式」で、日常生活や仕事中のマスク着用が推奨されたことを受け、三井住友建設は飛沫抑制に優れた不織布マスクの着用を従業員に義務付けている。今回、現場作業時のフェースカバリング使用にめどが付いたこともあり、現場で働く社員と協力会社の作業員の約2万人に配布を進めている。
三井住友建設では、新型コロナウイルス感染症をグループ全体の経営全般に重大な悪影響を及ぼす可能性がある存在として位置付け、「役職員、家族、関係者の命と暮らしを守ることを前提として、感染拡大の防止に向け、取り得る施策を最大限実施し、事業を継続する」という基本方針のもと、感染拡大の防止に引き続き取り組んでいく。
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