ニュース
» 2020年06月30日 09時00分 公開

スマートコンストラクション:コマツ×産総研が連携研究室を設立、建機の拡張技術や健康経営など研究

産総研とコマツは、千葉県柏市の産総研柏センターで、建機に関わるロボットやAI、VRなど、新しいテクノロジーの社会実装を目指した連携研究室を開設した。

[BUILT]

 産業技術総合研究所(産総研)と小松製作所(コマツ)は2020年4月、千葉県柏市の産総研情報・人間工学領域人間拡張研究センター内に「コマツ-産総研 Human Augmentation連携研究室」を設立した。室長にはコマツの池田昌弘氏、副室長に産総研 人間拡張研究センターの持丸正明氏が就任し、両社から総勢30人程度の人員が参画する。

建機オペの“ワークエンゲージメント”を向上

写真左から、コマツ 専務執行役員CTO 岩本祐一氏、産総研 理事 関口智嗣氏 出典:産総研、コマツ

 コマツと産総研は連携研究室で、建設機械とそのオペレータの協調性を高める人間拡張(Human Augmentation)技術の研究を進めていく。目標としては、オペレータの安全性向上、疲労低減、さらには生産性向上を実現するとともに、オペレータ自身の達成感を引き出し、従業員が仕事に対して前向きで充実した心理状態になる“ワークエンゲージメント”を高める技術開発を目指す。さらに、ワークエンゲージメントが高まることで、オペレータを雇用する顧客企業にとって、効果的な健康経営につながるように支援するサービス構築までを視野に入れている。

研究内容のイメージ図 出典:産総研、コマツ

 ここ最近、建設技術者の有効求人倍率は、7倍を超え(厚生労働省「一般職業紹介状況」)、建設業界ではますます、魅力的な職場環境を整備し、就業希望者をより多く集めるとともに、離職率を低減させるための方策が必要とされている。そのためには、オペレータの安全性確保と健康維持、さらには生産性を大幅に改善できる革新的技術の実用化が急務となっている。

 連携研究室では、人間拡張技術にその解を求め、「人と建設機械の協調を高める技術」として、建設機械のインタフェースからサービスシステム、顧客企業における経営効果の検証まで、一貫した研究を行う。

 コマツでは、2019年4月からスタートした中期経営計画で、イノベーションによる価値創造として「ダントツバリュー:顧客価値創造を通じたESG課題の解決と収益向上」の実現を掲げている。また、産総研、大学、企業、公的機関と連携して「人に寄り添い、人を高める技術=人間拡張技術」を開発し、柏市柏の葉地区の地域実証環境などを活用して、社会実装を目指す研究組織として人間拡張研究センターを2018年11月に設立した。

 今回両者は、コマツが有する建設機械分野における設計・開発・ソリューション技術と、産総研が有する人間拡張技術やサービス工学の知見を統合し、建設機械という「製品」と健康経営支援という「サービス」を融合させることで、新たな顧客価値を共創していくことで合意に至った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.