クレーン設置カメラで作業員を検知、エッジAI画像解析システムAI

エコモットと若築建設は、移動式クレーンに設置したカメラの映像をリアルタイムで画像解析し、クレーン直下の作業員の存在をクレーン操作者に知らせるエッジAI画像解析システムを共同開発した。

» 2020年06月15日 08時00分 公開
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 エコモットと若築建設は、移動式クレーンのブーム先端に設置したカメラの映像を画像認識アルゴリズムでリアルタイム解析し、クレーン直下の作業員の存在をクレーン操作者に警告して注意喚起するシステムを共同開発した。

クレーン直下の作業員を瞬時に識別する クレーン直下の作業員を瞬時に識別する 出典:エコモット

 本システムはレトロフィット型の機器構成を特徴とする。クレーン既設のカメラが撮影した映像を、ディープラーニングを活用した画像認識アルゴリズムでリアルタイムに解析する。

 解析処理は、現場で稼働するクレーンに設置したトランク型制御ボックス内の「エッジAIデバイス」が行う。そのためユーザーは、新規のカメラ設置や、ICタグなど警戒システム用センサーの導入が不要となり、安全対策のコストを削減できる。

 画像認識アルゴリズムは、さまざまな現場で収集した100万以上の映像を教師データとして活用しており、俯瞰(ふかん)視点から捉えた人間の特徴を識別できる。日照条件などによるコントラストの変化やクレーンの高低差、レンズの歪曲収差といった外的要因の影響を受けにくい。夏場や天候不良時などの悪条件下でも、ディープラーニングが強化学習を行うことで識別制度を維持できる。

本システムの概要 本システムの概要 出典:エコモット

 本システムは、既に若築建設が施工する複数の現場での概念実証(PoC)を終えている。今後は若築建設の現場で継続して使用し、クレーン作業の安全性向上を図っていく。クレーンを使用する他の土木・建設企業への外販も、エコモットを通じて行う予定だ。

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