ヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2020年5月分のマンスリーレポートを公表した。今回のトピックスでは、有料職業紹介所とハローワークで建設技術者の転職動向の違いを比較している。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は、国内における建設業の人材市場動向をまとめた「ヒューマンタッチ総研〜Monthly Report 2020年5月」のマンスリーレポートをリリースした。
厚生労働省は、民営職業紹介事業者の運営状況をまとめた「2018年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」を2020年3月31日に発表した。今回は、この報告書と同じく、厚生労働省がハローワークでの就職動向をまとめた「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」をベースに、建設技術者の転職動向について分析している。
有料職業紹介所とハローワークにおける建設技術者の転職者数に関して、過去の推移を比較してみると、2014年度には有料職業紹介所が6235件、ハローワークが1万5660件と、ハローワークが圧倒的に多かった(図表1)。
しかし、その後ハローワークは減少傾向が続く一方、有料職業紹介所での就職件数は増加を続け、2018年度には有料職業紹介所が1万3650件、ハローワークが1万836件と逆転した。
次に、建設技術者の新規求職申し込み件数を見ると、ハローワークでの新規求職申込件数は、2014年度の4万1217件から年々減少し、2018年度には3万1843件と1万件近くも減っている(図表2)。しかし、有料職業紹介所の新規求職申し込み件数は、2014年度の6万4105件から一気に増え、2018年度には11万5469件に達した。
建設技術者の新規求職申し込み件数は、有料職業紹介所がハローワークを上回るようになり、建設技術者の転職チャネルの中心はハローワークから有料職業紹介所へと移ったといえる。
雇用関連の月次データでは、2020年3月の建設業就業者数は512万人(前年同月比100.6%)、雇用者数は415万人(同100.7%%)で、ともに増加となった。一方、公共職業安定所(ハローワーク)の新規求人数は、6万8055人(同88.3%)と大幅に減った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.