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» 2020年04月09日 10時00分 公開

ロボット:大型鉄骨柱の“大量溶接”を自動化するロボットを鹿島が開発

鹿島建設は、「鹿島スマート生産」の一貫として、大型鉄骨柱の溶接を自動化する6軸の多関節アームを備えるロボットを開発し、現場に適用した。

[BUILT]

 鹿島建設は、溶接量が多い大型鉄骨柱の溶接を自動化するマニピュレータ(多関節)型現場溶接ロボットを開発した。東京都内で施工を進めているビルに適用し、一般的にはロボットでは難しいとされる角形鋼管柱(BOX柱)角部の連続溶接を含めた全周囲溶接を行い、熟練技能者と同等レベルの品質を実証した。

軽量で低コストな汎用6軸多関節型アームを装備

マニピュレータ型現場溶接ロボット 出典:鹿島建設

 新型ロボットには、さまざまな溶接条件に対応すべく、軽量で低コストな汎用6軸多関節型アームを装備。柱を取り囲むように設置したレール上に配置されたアームが所定の範囲を溶接し、終了後は、次の箇所までレール上を移動して再度溶接を行う仕組み。通常は1本の柱に対して4回に分けて溶接する。

 柱溶接部の開先形状変化に応じるべく、溶接条件(層数・パス数・溶接速度など)を自動算出するソフトウェアが実装されている。ソフトウェアにより、ロボットでは困難とされる角形鋼管柱角部の連続溶接が可能になった。

 また、施工フロア内をスムーズに移動できる専用台車を搭載しているため、別の柱へのロボットの盛り替えが容易となり、作業の効率化や省力化を実現した。さらに、開先形状をリアルタイムで自動計測する開先形状センサーにより、溶接中に溶接条件を自動補正する機能も開発中だという。

マニピュレータ型現場溶接ロボットの概要(左)、専用台車による設置状況(右) 出典:鹿島建設

 現場への適用では、鹿島建設が東京都内で施工中のビルに導入した。800ミリ角×25ミリ厚の角形鋼管柱の全周囲溶接に用いて、各種機能の実施検証を行った。その結果、熟練技能者による溶接と同等水準の品質が確保されていることが証明された。

 なお、現場適用にあたっては、溶接ロボットによる作業を含む全ての溶接作業を当社グループの鹿島クレスが担当。同社は2016年4月に溶接事業部を発足させ、溶接ロボット運用の要となるオペレータの訓練と育成を進めている。

溶接するロボット(左)、溶接出来形(右) 出典:鹿島建設

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