従来、ロックボルトにかかる軸力は、高額な軸力計や特殊なひずみ検出装置が必要なため、手軽に測定することができなかった。戸田建設とカテックスは、軸力測定を簡易にする新たなロックボルトワッシャーを開発した。。
戸田建設とカテックスは2020年3月24日、山岳トンネルのNATM工法などで使用されるロックボルトに発生する軸力を特殊なワッシャーにより、把握可能な発色型ロックボルトワッシャー「Eye Washer」を開発したと発表した。
Eye Washerは、透明な汎用プラスチック製の角型ワッシャー(縦100×横100×幅10ミリ)の背面に「圧力測定フィルム」を張り付けて製品化したもので、これまで使われていた鋼製角型ワッシャーの上に設置して利用する。
圧力測定フィルムは、カプセルを内包した2枚の極薄フィルムを重ね合わせたもので、圧力がかかると一方のカプセルが潰れ、発色剤と顕色材が接触し赤く発色する市販されている汎用製品。
Eye Washerをロックボルトに搭載することで、トンネル壁面が変位した際に、ワッシャーに作用する力に応じて白色の圧力フィルムが赤色に変化する。赤色に変わった直径の大きさにより、ロックボルト頭部に働く軸力を目視で確かめられる。従来のロックボルト軸力計に比べ、安価で簡易に取り付けられるため、広範囲のロックボルトに装着でき、経済的で効率的に施工中のトンネルで、面的な変形状況を目視で確認可能だ。
ロックボルト頭部(鋼製角型ワッシャー・六角ナット)にEye Washerを追加で配置するだけのため、トンネル施工のサイクルタイムに影響を与えない。
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