住宅は大和ハウスの一人勝ち、第3四半期決算から見る市況概要産業動向(1/3 ページ)

ヒューマンタッチ総研は、建設業主要各社の2020年3月期第3四半期決算のまとめと今後の市場予測を公表した。レポートではプラント・エンジニアリング業を除く5業種は増収増益となり、土木では主要10社全て、ゼネコン、電気設備工事業、管工事業では9社が増収になったと報告している。

» 2020年03月10日 06時00分 公開
[BUILT]

 ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2020年3月5日、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅建設業の6業種に分けて、2020年3月期第3四半期決算から見る市場動向をリリースした。対象企業は、各業種の主要上場企業10社で計60社。

6業種合計で増収増益、特に収益性が大幅に向上

 2020年3月期第3四半期決算(連結)の各業種主要10社の実績を合計すると、6業種合計の売上高は前年同期比で3.8%増、営業利益は同21.0%増、経常利益は同18.6%増、純利益は同25.7%増で、とくに収益性の向上が顕著な結果となった(図表1)

 業種別では電気設備工事業のみが、純利益ベースで減益だったが、経常利益ベースでは増益となり、事業活動における収益性は高水準にあることが推定される。

【図表1 各業種主要10社の2020年3月期第3四半期決算(連結)の実績合計】 出典:ヒューマンタッチ総研

※増益、減益は純利益ベースで判断

ゼネコンは10社中9社が増収、うち7社が増収増益

 総合工事業(ゼネコン)は、堅調な民間設備投資や公共投資を背景に、10社中9社が増収、うち7社が増収増益だった(図表2)。大手ゼネコン4社では、大林組、清水建設、大成建設の3社が増収増益となった。鹿島建設は、純利益が前年同期比15.5%減だったが、売上高は同2.3%増で、各社ともに豊富な手持ち工事を順調に消化して好調な決算となった。

 なお、通期業績予想については4社ともに据え置いている。準大手ゼネコンの五洋建設と戸田建設は売上高、営業利益、経常利益、純利益全てが前年同期比で2桁の伸び率となり、ともに純利益の通期予想を上方修正している。

 業界全体としては好調な決算の中、長谷工コーポレーションのみがマンション工事の施工量減少、完成工事総利益率の低下などにより減収減益だった。また、安藤ハザマは増収増益だが、一部大型工事の進捗及び採算性が予想を下回るため、通期業績予想を売上高、純利益ともに下方修正した。

【図表2 ゼネコン主要10社の2020年3月期の第3四半期決算(連結)の実績】 出典:各社の2020年3月期第3四半期決算短信より作成

※フジタについては非上場のため同社より取得した決算資料により作成

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