日鉄エンジニアリングと極東興和は、高速道路橋などの床版更新工事で、交通規制期間の短縮や施工合理化を図れる新しい継手(つぎて)を開発した。
日鉄エンジニアリングと極東興和は2020年1月23日、工場で製作したプレキャスト床版専用充填(じゅうてん)材料を用いて現地にて接合する継手「ELSS Joint」を共同開発したことを発表した。
ELSS Joint は、鉄筋を用いた継手とは異なり、プレキャスト床版間に低剛性の専用材料を充填するだけで床版相互を半剛接合する継手。従来工法より継目幅を狭くできるため、プレキャト床版幅を広げて枚数を減らせる。継目部に、鉄筋を設けない簡単な方法で接合可能なため、鉄筋製の継手と比較して、労働生産性を約14%向上し、交通規制期間を1割以上短縮する。
両社が供試体を用いた試験で、ELSS Jointが設計荷重に対して十分な静的耐力を有することを実証している。さらに、輪荷重走行試験機を用いた試験により、現行のRC床版を上回る疲労耐久性を備えていることを確認したという。充填材料の耐久性能や防水層、舗装との付着耐久性についても検証し、良好な結果を得た。
今後両社は、ELSS Jointを普及させることで、大規模更新事業などにおける既存交通の規制時間を短縮し、渋滞などの影響緩和や省力化による労働生産性向上を図っていく考えだ。
「鉄筋継手」をAIで自動検査、NTTコムウェアと清水建設が2020年に試験運用へ
フジタと日本ヒューム、施工精度と作業効率を高める「FN継手」を開発
橋梁の床版取替えで人員6割減の「コッター床版工法」、実施工に向け共同事業契約を締結
プレキャスト前提の積算手法確立へ、コンクリートの生産性向上Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10