土木研究所は、2016〜2021年の主要テーマの1つとして、「循環型社会に向けた舗装リサイクル技術に関する研究」を掲げている。このテーマに則し、再生骨材を含む再生アスファルト混合物の適用条件や再生アスファルト混合物の品質を評価する簡便な試験方法などを調査。また、研究の一環として、アスファルト・コンクリート再生骨材の繰り返し再生による変状についても検証を進めている。
土木研究所(土研)主催の「令和元年度土木研究所講演会」が2019年10月16日、東京・千代田区の日本教育会館一ツ橋ホールで開催され、土木分野の取り組みや最新技術が紹介された。
当日のセッションの内、メインテーマの1つ「建設材料に関する技術開発の取り組み」に焦点を当てた土木研究所 つくば中央研究所 道路技術研究グループ(舗装) 上席研究員の藪雅行氏の講演「永続的な舗装リサイクル技術の確立を目指して」をレポートする。
国内の舗装された道路は、車両の通行や紫外線、降雨などを要因に、ひび割れやわだち掘れなどが定期的に発生するため、20年周期で表層などを更新している。
路面の補修作業では、表面のアスファルト混合層を切削し、新しいアスファルトを舗装している。はがした混合層は、アスファルト・コンクリート発生材として再資源化施設に集積され、アスファルト・コンクリート再生骨材に加工。最終的に再生加熱アスファルト混合物や再生路盤の材料に使用される。
このような道路の補修作業で生じるアスファルト・コンクリート発生材のリサイクル率について、藪氏は「2012年に国土交通省が発表したデータによれば、2012年以降から再資源化率約99%をキープしており、リサイクルの優等生だと感じている」と解説した。
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