積水ハウスは、2020年以降を見据えた“住”関連ビジネスの基盤づくりを進めており、その一環としてブロックチェーンを活用した次世代不動産プラットフォームを構想している。プラットフォームには、通信会社、ガス会社、保険会社が参加しており、将来ビジョンでは水道や電力、行政などとの連携も視野に入れ、異業種間での新規サービスの創出を見込む。
積水ハウスは、創立60周年を迎える2020年に向けて、ブロックチェーンによる全く新しい不動産プラットフォームの構築を目指している。2019年3月には、KDDI、日立と、企業間の情報連携基盤を実現すべく、協創を開始。本人確認情報(KYC)をブロックチェーン上で共有し、賃貸契約の利便性向上を実証実験によって検証した。
同年9月27日には、大阪ガス、東邦ガス、損害保険ジャパン日本興亜、東京海上ホールディングス、三井住友海上火災保険も参画に加わり、住まいに関わる多くの手続きをワンストップ化させるための検討に入った。
なぜ住宅メーカーがブロックチェーンなのか?プラットフォーム構築で市場にどのような変化が起きるのか?積水ハウス IT業務部 課長・田原陽一氏にこれからの可能性や展望を聞いた。
積水ハウスでは、2017年4月から仮想通貨企業「bitFlyer」のブロックチェーン「miyabi」を使って、不動産業界で初となるブロックチェーン技術の構築に着手した。今ではその成果として、グループ企業の積和不動産が管理する賃貸物件「シャーメゾン」を対象に運用している。
ブロックチェーン技術導入の背景には、2020年以降の住宅市場を鑑み、第4次中期経営計画で定めた“住”関連ビジネスの基盤づくりという目標がある。
この基盤の一つに、ブロックチェーンによる不動産物件を対象にした管理システムの整備があり、将来的には他業種とも連携して、利用者主導型の情報バンク構築と新しい事業・サービスを創出するのがねらいだ。
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