三菱地所は、関係する権利者とともに、東京駅日本橋口前の3ヘクタールを超える土地で、「常盤橋街区再開発プロジェクト」を進めている。2027年までに4棟のビルと7000平方メートルに及ぶ大規模な広場の設置を計画しており、段階的に着手する。この再開発により、常盤橋エリアの中央通路は2022年9月まで現状のまま維持される。こういった状況を踏まえ、賑(にぎ)わいの創出を目的に、中央通路の一部となる約80平方メートルの敷地を静岡県裾野市に一定期間貸し出し、同市の軽量薄層緑化技術「FSGシステム」で、緑花木の植栽を進め、地域の活性化を促進する。
三菱地所は2019年10月8日、東京・常盤橋エリアの中央通路に位置する約80平方メートルの土地を同年9月9日から2022年9月30日まで、同社から静岡県裾野市が無償で借り受ける使用賃貸契約を結んだことを発表した。
また、期間中、約80平方メートルの土地に対して、裾野市環境緑花事業協同組合が軽量薄層緑化技術「FSGシステム」で、緑花木の施行を行う。工事費は、地方創生交付金のPR費用として同組合が負担する。この内容を含んだ管理業務協定を裾野市と同組合が締結したことも公表された。
FSGシステムとは、Fuji・Forest、Susono・Style、Garden・Groundの頭文字をとった裾野市環境緑化事業協同組合が、独自に開発した緑化技術の総称。裾野市は、FSGシステムを使用し、緑花木を都内のビル屋上へ植栽することで、首都圏の気温を1度下げることを目標としている。
三菱地所、裾野市、裾野市環境緑化事業協同組合、サカタのタネグリーンサービスは2019年10月8日、都内で、今回の事業について合同記者会見を開催した。
裾野市 市長の高村健二氏は、「2014年に政府が地方創生の号令を発し、それを受けて、造園業が盛んな土地柄を生かし、都会のヒートアイランド現象を緩和する緑化プロジェクトをスタートさせた。緑化プロジェクトを加速するために、裾野市環境緑化事業協同組合を2016年に創立。手綱忠芳代表理事がリーダシップをとり、後付けできる屋上緑化技術“FSGシステム”の開発を前進させた」と経緯を述べた。
さらに、「以前から付き合いのあったサカタのタネグリーンサービスから三菱地所を紹介してもらい、今回の契約につながった。FSGシステムを植え込んだスペースの側面には、静岡県の魅力をPRする16のパネルを取り付け、宣伝媒体としても活用している」と続けた。
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