VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集
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» 2019年09月17日 07時00分 公開

不動産テックカンファレンス2019:世界最速の3Dエンジンを搭載した不動産向けVR内覧サービス「ROOV」 (2/2)

[遠藤和宏,BUILT]
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最速の3Dエンジンでクラウド活用も容易に

 間所氏は、不動産業界の生産性が挙がらない要因として、Webサービスの恩恵を享受しにくいことと、店舗網とマンパワーが最も強力な販促手段である構造が続くことを挙げた上で、解決策として、不動産向けVR内覧サービス「ROOV」を提案した。

VR内覧サービスROOV
ROOVを用いた室内のVR体験

 間所氏は、「未着工の新築マンションや大規模なリフォーム、リノベーションを前提とした中古マンションの取引では、完工していない建設物を完成しているように見せるサービスが必要となる。不動産市場では、パノラマ写真ではなく、具体的に歩き回ったり、体感できるような3DCGが求められている」と述べた。

 また、「3DCGデータは非常に重いので、クラウドで操作しにくいといった問題がある。3DCGの制作は時間とコストがかるため、価格設定も難しい」と解説した。

従来のVR内覧サービスのワークフローと製作時間

 こういった課題を解決したのがROOV。ROOVはスタイルポートが基盤から開発した製品で、世界最速の3DCGエンジンを搭載しているという。スマホやタブレットなどのデバイスで、クラウドを介して、オンラインで室内空間の体験が行える。独自の3DCG製作のワークフローを構築しているため、納期短縮と低コストでの提供を両立している。これまでの工程と比べ、3つの作業を削減し、時間を4分の1に縮減した。

ROOVの3DCG制作ワークフローと製作時間

 間所氏は、独自開発した世界の3Dエンジンについて、「不動産向けVRを展開している米国企業のFlooredやinsidemapsのシステムとロード時間を比較すると、スピードは、ROOVに実装した3DCGエンジンが最も速かった」と解説した。

他社エンジンと比べたROOVの3Dエンジンのローディング速度

 独自の3DCG製作のワークフローについて、「手順は、まず、クライアントから受領したCADデータから室内の平面形状をトレースする。自社開発のアプリケーション『Add.Detail.Tool』で高さ情報を入力し、オートモデリングシステムを使用し、3Dビュワーで形状を確認する。マテリアルアサインツールを起動し、各所の部材を自動で割り当て、ROOVに使用する室内空間の3DCGが作れる」(間所氏)。

ROOVの3DCG製作ワークフローの一部となるマテリアルアサインツールによる部材の割り当て

 加えて、「世界最速の3Dエンジンによる待ち時間の少ないローディングと効率化を進めた3DCG製作のワークフローを武器にすることで、建物の1室だけではなく、全タイプの部屋のVR化を安価で行える。また、クラウドで、場所や時間を選ばすに、VRの操作が可能なため、Webページと連携して、集客に活用したり、マーケティングの拡張にも使える」と補足した。

ROOVとWebページを連動させ、アクセス数から顧客が関心を持っている部屋のタイプを分析可能

 ROOVは2019年2月に上市し、同年9月の段階で68件で導入されており、2020年9月をめどに300件の採用を目指している。この他、室内設備の取り扱い説明書をVR上で閲覧できる機能やチャットツールなどをROOVへの実装に向け開発中だ。

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