VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集
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» 2019年05月27日 06時00分 公開

VR:パナVR、システムキッチンから未来を体験できる空間を紹介 (1/2)

パナソニックは2019年5月23日、技術セミナー「VRシミュレーション技術の取り組み」を開催。これまでのVR技術開発の変遷に加え、2019年4月に開業したマンションセンター「HARUMI FLAG パビリオン」に導入しているVR設備の特徴などを紹介した。

[遠藤和宏,BUILT]

 パナソニックは2019年5月29日、技術セミナー「VRシミュレーション技術の取り組み」を開催した。第1部は、同社東京汐留ビルで、パナソニックライフソリューションズライティング事業部エンジニアリングセンター・専門市場エンジニアリング部都市・空間推進課の大石智久課長が登壇。「快適な暮らし・空間づくりのためのVR/ARの進化とデジタルプラットフォームの構築」と題し、講演を行った。

VR技術活用の始まりはシステムキッチン

 パナソニックライフソリューションズは、パナソニックの空間創造事業を担う。住宅や施設用などの照明器具を中心に、さまざまな製品を展開。パナソニックのVR技術には、顧客のニーズを満たす、空間づくりの見える化を支援するインタフェースで貢献している。

システムキッチンVRシステム「VIVA」のシステム構成や体験風景 出典:パナソニックライフソリューションズ

 パナソニックのVR技術は、1990年代の基礎研究から始まり、開発を重ね、VR活用の市場啓発・社会実装も実施しながら進化し続けている。

 都市再生・地方創生事業を中心に、全国の行政・民間の顧客から、過去17年間で1500件以上の活用実績を持つ。内訳は全体の7割が行政、残りの3割が民間企業だという。

 当初パナソニック(当時の社名:松下電工)は、システムキッチン事業で、VR技術の活用に取り組んだ。システムキッチンVRシステム「VIVA(ヴィバ)」を開発し、1990年に、旧新宿ショールームで公開。「つくる前に設計段階で、あなたのシステムキッチンの使い勝手を確認」をキャッチフレーズに展開した。

景観・都市計画シミュレーション「環境計画支援VR」の映像 出典:パナソニックライフソリューションズ

 2000年には景観・都市計画シミュレーション「環境計画支援VR」を開発し、2002年に事業化させた。

 パナソニックの暮らし・空間づくりのためのVR/AR技術の特徴は、3つの強みの組み合わせで、各顧客に適したカスタマイズサービスを提供できることだ。

 3つの強みについては、「1つは、ユーザーごとの異なる課題解決に、必要なシミュレーション技術を豊富に持つこと。2つ目が、さまざまなシミュレーションの実現を支える製品やサービスを有すこと。3つ目が、シミュレーションを空間体験価値として、提供できる映像装置・技術を備えていること」(大石氏)

 加えて、もう1つの特徴は、パナソニックの暮らし・空間づくりのためのVR/AR技術が、単なるソフトウェア販売でなく、専門知識を持つコンサルタントが、顧客の要望に対応していることだ。

 パナソニックのVR技術活用事例としては、神奈川県藤沢市で、推進中の街づくりプロジェクト「Fujisawa SST(フジサワエスエスティ、SST:サスティナブル・スマートタウン)」などのケースが紹介された。Fujisawa SSTの事例については「パナソニックを含め、多くの企業が参画していたので、完成後の街のイメージなどを共有するために、活用された」(大石氏)。

パナソニックが目指すVR技術の今後を語る大石氏 

 今後の展望は、1つが、人起点で、顧客の快適な空間(家、街、社会での暮らし)をシミュレーションし、バーチャルとリアルのインタフェースとなる役割・技術を目指すことだという。これについて「VRは、これまで、さまざまな事業者から、建築に関わる資料を預かり、都市建築に関わる社会的な合意形成や投資判断などのサポートをしていた。これからは、快適な暮らし・空間づくりのために役立てていきたい」(大石氏)。

目指す展望の1つである「人起点で、顧客の快適な空間(家、街、社会での暮らし)をシミュレーションし、バーチャルとリアルのインタフェースとなる役割・技術を目指すこと 

 もう1つが、行政・民間の顧客を中心に提供してきたVR技術をより広く、さまざまな空間に、暮らす人々に向けたものへ生かすこと。これについては「都市再生などに向けて、立ち上げてきたVR技術だが、今後は、住宅やオフィスなどの生活に根ざした空間に向けて、活用を目指していきたい」(大石氏) 

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