記者発表会では、スターツCAM 建設統括本部 BIM生産設計部 審査室の横井敏子氏が、GLOOBE確認申請テンプレート 2019のβ版を用いて行った実案件での技術検証について解説した。この検証は、2018年にスターツCAM、日本ERI、福井コンピュータアーキテクトが、BIM申請分科会の活動の一環として行った。
横井氏は、BIMモデルを使用した建築確認申請の有用性やスターツがこの取り組みを始めた経緯、作業手順について説明した。
BIMモデルを使った建築確認申請のメリットとして、「確認審査作業の効率化・見える化」「審査の一部の自動計算化」「設計BIMデータを活用し、2重作業を防げること」を挙げた。
横井氏は、「スターツCAMが、BIMモデルを使い始めた頃は、合意形成を円滑にすることが目的だったが、現在は、企画、基本・実施設計、施工の各フェーズで役立てている。そうした中で、BIMで作成した3Dモデルをさらに別の領域で利用できないかと考えたのが、今回のBIMデータを使った建築確認申請を推進したきっかけ」と明かした。
続けて、ワークフローについて、「実施設計が終了したBIMモデルを使用し、建築確認申請図の作成に取り掛かる。基本設計の段階のBIMモデルでも平面図、立体図、断面図を表示できる状態なら用いることが可能。作業手順は、GLOOBE確認申請テンプレート 2019をGLOOBEの凡例というリストに取り込み、このリストを利用することで建築確認申請図が作成できる。ビュワーを設定し、BIMモデルを確かめながら、建築確認申請図を作り、審査する側が一貫した情報が受け取れるようにする」と解説した。
加えて、「重要なのは、BIMモデルと建築確認申請図がリンクしていること。GLOOBEには、BIMモデルと建築確認申請図を照合する機能が付いており、両方の整合性を確かめられる。最後に完成した建築確認申請図と3Dモデルを含んだGLOOBE(BIM)データや構造図、設備図、各種計算書などのPDFを電子申請する」と補足した。
さらに、GLOOBE確認申請テンプレート 2019をダウンロードすることで、壁や柱といった建具やシャッター、防火・防煙区画の凡例を加えられることも伝えた。
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