キャタピラーと手を組んだ理由はまさにそこにあり、大成建設との共同開発では「鍵となったのはキャタピラーの強みである電子制御技術。機体に実装されていれば、割岩などのさまざまな作業は電気信号に置き換えられる。ソフトウェアをプラグインするだけで、自動化できることになり、近道になる」とデジタルプラットフォームの意義を述べた。
イメージしやすいのはコンシュマーゲーム機の機構だ。複数あるゲームソフトを入れ替える要領で、ソフト=プログラムを必要な作業に対応させれば、筐体=電子制御はそのままで、機体を一々改造せずに済み合理化される。「今回実証した作業は、現場で頻繁に行うものなので、有名なゲームソフトのように、さしずめ“キラーアプリ”と呼べるものになっていくだろう」。
「自律割岩システム」は、実験ではNext Generation HEX(NGH)に自動化プログラムを投入することで直径1.5メートル級の大型岩石の割岩を行い、90%以上の高い精度を達成した。
大成建設は、2014年にも自律割岩システムを実装した「T-iROBO Breaker」の実験を成功させている。作業員が割岩対象の岩をPC上で指定すると、マシンは対象の岩まで自律走行する。目的地近辺で岩の形状/打撃箇所を計算し、割岩に取り掛かる。当時はコストを費やし、従来型の油圧ショベルに多数のカメラやセンサーを装着し、電子制御化の改造を行っていた。
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