川田テクノシステムは、建設コンサルタント向けに特化した業務管理システム「Direct R」の販売に注力している。働き方改革関連法が施行されたのを機に、社内の業務改善に着手する建設業者は多いが、各部門ごとに抱える業務効率化の壁をどう解消するかは課題となっている。
建設業向けに業務管理システムやCADソフトの開発・販売を行っている川田テクノシステムは、建設コンサルタント業を対象とした「働き方改革関連法対策セミナー」を2019年7月19日に東京・大手町プレイスカンファレンスセンターで開催した。
セミナーは、2019年4月に施行された「働き方改革関連法」について、特定社会保険労務士を講師に迎え、建設コンサルタントが取り組むべき課題と対策を解説。併せて、同社がCADや設計計算ソフトウェア、建設コンサルタントに経営情報システムを提供してきたノウハウを踏まえ、2019年IT導入補助金対象サービスにも認定された「Direct R(ディレクトアール)」が業務改善にどう役立つかをレクチャーした。
第1部は、千葉県松戸市のアスミル社会保険労務士事務所・代表の櫻井好美氏(特定社会保険労務士)が登壇。労働力人口の減少や大量介護時代への突入、ITの進化によるビジネスモデルの変化などの要因で「人が増えれば…」の従来型の考え方では生き残れない時代になったとし、働き方の変革はどうあるべきかを説いた。
櫻井氏は、働き方改革関連法で変わることとして、「労働時間の原則」「労働時間の適正把握」「割増賃金」「年次有給休暇」「勤務間インターバル」「同一労働同一賃金」を挙げ、押さえておくべきポイントを指摘した。
櫻井氏は働き方改革について、「時間に縛られ、単に早く帰りさえすればいいというものではない。それでは、上長など仕事のできる人に業務量が集中して、本末転倒になりかねない」と警鐘。
その上で、「国内では確実に労働人口は減っており、これまでの様に多くの人が入職してくることは見込めない。そのため、新規採用の戦略に加え、今職場で働いている人が辞めずに、定着率を上げることが重要だ。法改正は言い換えればチャンスの時。対応できる企業に人は集まってくるので、これを経営戦略と捉え、労働環境を見直しホワイト企業化を進めてもらいたい」と要望した。
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