自治体に標識の施設台帳が無い?ドラレコ映像からAIで自動作成メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2019(2/2 ページ)

» 2019年08月08日 06時10分 公開
[石原忍BUILT]
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日光市では点検作業の省力化が実証された

 点検手順は、自治体の担当者が運転する車両で走行中に、市販のドライブレコーダーで道路上の付属物を記録。撮影した映像から、ゼンリンデータコムのAIで道路附属物を特定し、全景写真と、GPSによる位置データを出力することで、自動で施設台帳が作成される仕組みだ。

 現場での本点検時には、タブレット端末上の道路附属物点検支援システムにデータを読み込み、ARで対象物を特定して、点検項目に沿って点検する。撮影した写真は、自動でフォルダに振り分けられ、国土地理院の地図も挿入された点検調書が出来上がる。

ARで対象物を特定 

 また、自治体が最初に走らせる車両は、ゴミ収集車や道路パトロールカーと連携することで、台帳作成のためだけに車両を走らせることも無くなる。

点検手順

 実証を行った日光市では、2006年に合併をした際に、管理道路の施設台帳が無い上、1〜2人しか担当者がいないなどの問題を抱えていた。民間活用に力を入れているPPP(公民連携)に基づき、維持管理システムを導入し、これまで存在しなかった施設台帳が車を走らせるだけで作成でき、手作業で行う従来点検と比較すると、約10分の1以下の時間で完了することが確認されたという。

従来方法との比較
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