国内初実証!導水路の管内を蝕むカワヒバリガイを近紫外光で除去?i-Construction推進コンソーシアム「技術開発・導入WG」(中)(2/3 ページ)

» 2019年07月31日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

コジェネを活用したシステム、熱と震動で高含水の建設発生土を脱水

東京外かく環状国道事務所 調査第二課 専門官の末吉史郎氏

 東京外かく環状国道事務所 調査第二課 専門官の末吉史郎氏は、高含水比の建設発生土が汚泥扱いとなり、運搬や有効活用できないことに着目し、こういった含水土を容易かつ短期に脱水可能な機械のニーズがあることを説明した。

 末吉氏は、「含水比が高い建設発生土への対策として、石灰などの添加剤を用いた改質手法があるが、この方法だと受け入れ先が限定されてしまう。こういった問題を踏まえたシーズを期待している。現場試行は、住宅密集地で行うことを想定しているため、騒音や振動を抑える措置がとられた製品を望む。具体的な実施時期や場所、規模はマッチング後に、内容を確認し調整していく」と述べた。

 農業や林業向けのコンサルタントを主要ビジネスとする日本農林資源開発 代表取締役社長の中村一氏は、脱水できる機器として「掘削土砂多段乾燥コジェネ・システム」を提案した。

日本農林資源開発 代表取締役社長の中村一氏

 このシステムは、電力と熱源を発生させるコジェネを利用し、工事現場で発生する高含水掘削土砂を添加剤不要で脱水する装置。含水土を機械振動、超音波処理、脱水土抽出、加熱、圧縮凝固の順に加工し固形土にする構造となっている。

「システムは、混合エア・ジェット・ポンプによる土砂搬送の先端部で利用することを見込んで開発している。土が一定の水分を含んでいないと運用できない構造のため、脱水で生じる透過性の低い粘性濁水を沈殿槽などのフィルターでろ過し、河川に戻す必要がある。このため、施工を実施する場所によっては実用性がないものとなる。これまでの含水土の減水機器と比較し、コンパクトで連続的に現場で再生土を作るシステムを目指し、開発を進めている」(中村氏)。

 現場試行では、システムを用いて多様な場所で含水土を再生土に変え、土質や混合比による結果の違いを検証していくという。

掘削土砂多段乾燥コジェネ・システムのイメージ

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