三井住友建設は、ロボットアームを備えた鉄筋組み立て自動化システム「Robotaras(ロボタラス)」の開発に着手した。鉄道構造物である軌道スラブの製造で、鉄筋配置や結束作業を自動化させる。
三井住友建設は2019年5月15日、鉄筋組立自動化システム「Robotaras」の開発に着手したことを公表した。ロボットアームを備えており、鉄道構造物である軌道スラブを製造する際の鉄筋配置や結束作業を自動化する。
Robotarasは、「ROBOT Arm Assembly System」の略称。ロボットはプログラミングにより動作し、アーム先端部では、鉄筋保持治具と市販の鉄筋結束機の自動着脱を行い、鉄筋の配置/結束作業をオートメーションで続ける。
これまで、軌道スラブの鉄筋組み立て工事は手作業で行われてきた。実際に佐賀県の三田川PC工場では、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の発注した「九州新幹線(西九州)、武雄・大村間軌道スラブ製作運搬」(工期2017年11月27日〜2021年2月23日)に伴う業務で1万1933枚の軌道スラブを製造しており、作業員約20人が従事。人の手によって資材の供給と配置/結束という単純作業を繰り返し、同じ形状の軌道スラブを構築している。
そこで三井住友建設は、軌道スラブの鉄筋組み立ての省人化・省力化と、現場の担い手不足の解消、作業負担の軽減を目的に、ロボットアームを用いた自動化システムを開発。作業員は鉄筋材と結束ワイヤを鉄筋結束機の中に充填(じゅうてん)していくだけでシステムが稼働し、軌道スラブを構築する。鉄筋配置・結束作業を模した動作試験では、システムの有用性が確認されたという。
三井住友建設では今後、プレキャスト(PCa)工場の製造ライン導入を目指す。将来的には、超高層マンションなどの主要構造体やインフラの大規模更新事業などで使用されるPCa部材の製造にもシステムを応用する考えを示している。
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