クオリカが2018年11月に提供を開始した市販ヘルメットに装着するウェアラブルIoTデバイス「iBowQube(アイボウキューブ)」が、日笠工業の現場に試験導入され、三信電気を含めた3社共同で実証実験を進めている。実験では、現場から離れた場所にある管理本部とのコミュニケーション連携やバイタルセンサーによる作業者の体調管理などの有効性を確認する。
クオリカは、日笠工業、三信電気と3社共同で、ヘルメットタイプのウェアラブルIoTデバイス「iBowQube(アイボウキューブ)」を設備メンテナンスの現場に導入し、実証実験を進めている。3社の役割としては、クオリカがiBowQube、日笠工業が導入する現場、三信電気がIoT機器をそれぞれ提供した。
iBowQubeは、クオリカが開発した一般的なヘルメットに装着できるマウント型のウェアラブルデバイス。2018年11月に月単位のレンタル形式で提供を開始して以来、建設現場をはじめ、電力・ガスのメンテナンス、製造業の工場などで、幅広く利用されている。
iBowQubeの構成機器は、高感度で防滴仕様のメインカメラ(最大解像度640×480pixel)、バイタルセンサー、環境センサー、各デバイスと有線でつながっている専用のAndroidスマートフォンから成る。機器や通信回線、アプリケーションを動かすクラウドサービスは、一括で提供されるため、管理者側はインターネット接続可能なモニタリング用のPCを用意するだけで済む。
バイタルセンサーは、耳たぶに挟んで心拍数や加速度を計測。環境センサーは温度、湿度、照度、UV、気圧、騒音、不快指数、熱中症警戒度をセンシングする。取得したデータは、セキュリティに守られた専用アプリがインストールされている専用スマホを介して、クラウドに送られる。管理本部や本社では、PC上のGoogle Chromeブラウザから、ライブ映像とともに現場状況をモニタリングすることができる。
また、現場とは1対1のビデオ通話も可能で、遠く離れた管理本部とのコミュニケーションツールとしても使える。動画はPCに保存することもでき、施工品質や作業内容を記録して、工程を振り返り、今後の作業品質の向上にも役立てられる。
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