ビル外観は、鉄道の運行表“ダイヤグラム”を想起させる意匠。タワーボディーの外殻を菱型に包む鉄骨ブレースが陽光を受ける輝きは“ダイヤ”、線路を跨いで建ち、電車が建物の下をくぐり抜ける様子を“ゲート”で表現した。
設計者の日建設計は、「この地に、大きな樹を植えたい」と考え、「建物の構造体をそのままデザインに生かし、どっしりと太いV型の柱で構成する足元は“樹の幹”、その上に載るタワーボディーの外殻を包むトップブレースは“豊かにしげる枝と葉”と見立て、飽きのこない、おおらかな建築に育ててきた」とコメント。
ビル設備は、ガラスには遮熱LOW-Eペアガラスを採用したことで、日射を和らげ、遮熱性能の効果で外気の影響を受けにくく、冷暖房効果を高める。照明は、机上面の水平面平均照度700lx(ルクス)を確保し、蛍光灯と比較して約50%使用エネルギーを削減。空調は、各テナント内のVAV(可変風量システム)や温度設定はテナント用Webサーバで制御する。
防災/BCP関係では、中間免震構造を導入。「積層ゴムアイソレーター」と「U型鋼製ダンパー」を免震層に配備し、相互の性能が大地震発生時にも、免震効果を発揮する。建物外周のブレース架構は、地震時などの水平力を負担する機能面だけでなく、無柱のオフィスフロアと美しい外観を可能にした。
非常用発電機は72時間に対応し、災害時に備え、3日分の使用水量を常時確保して、排水も建物内に貯留できる計画。豊島区と帰宅困難者への対策で結んだ提携に基づき、ビル内にも防災備蓄倉庫を設ける他、エントランスホールやビル内デッキなどを非常時の一時滞在スペースとして開放する。
池袋駅周辺は、国の国家戦略特別区域の一つ「アジアヘッドクオーター特区」の指定を受け、周辺では、庁舎跡地再開発をはじめ、西口地区市街地再開発、造幣局地区街づくり計画、さらに新たな移動システム(LRT・バス移動システム)の整備も予定されている。
そのため、このプロジェクトでは、新しい歩行者ネットワーク形成も計画されている。
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