大東建託は、パネル化が可能な「CLT耐火外壁」と、施工手間を省力化した「接合金物」を開発した。これらの新建材を用いたCLT工法を建設中の実験棟に適用。施工時の効果や完成後の居住性などを確認し、2019年度内の商品化を目指す。
大東建託は、オリジナルのパネル化が可能な「CLT耐火外壁」と、施工手間を省力化した「接合金物」を開発し、この建材を組み合わせた新CLT工法を用いて実験棟を建設している。
新CLT工法は、断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的効果により高い居住性を実現する他、持続可能な循環型森林資源を有効活用した省CO2建物、工期短縮と省力化などのメリットが見込める。
実験棟では、耐火外壁や接合金物などの施工性や建物全体の施工コスト、遮音/断熱などの基本性能の検証を行い、オリジナルCLT工法を規格化して、中層建物向けに2019年度内に販売を開始する。
CLTは、Cross Laminated Timberの略で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質材。国内では2013年12月に製造規格となるJAS(日本農林規格)が制定され、2016年4月にはCLT関連の建築基準法告示が施行。以降、一般的な利用が始まったが、製造・建設のコストや耐火・遮音などの住宅性能の改善が課題となり、広く浸透するまでには至っていない。
大東建託は、コストの低減や耐火性能を確保する技術開発に取り組み、オリジナルの耐火外壁と接合金物を用いた実験棟を建設し、CLT工法の施工性だけでなく、入居時の居住性も確認して、賃貸建物での商品化を図る。
CLTを用いた実験棟は、耐火建築物として都市部の防火地域にも建設することが可能な共同住宅を想定している。3階建てで住戸数は6戸とし、都心のシングル向けワンルームを意識した間取りで戸並びの少ない建物プラン。CLT工法がこの検証で、確立することにより、現状では鉄筋コンクリート造、または鉄骨造に限られる都市部での耐火建築物の構造の選択肢が増え、地域特性に合わせた、より安全・安心な賃貸事業が展開できるとしている。
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