清掃だけじゃない、ヘッドを代えてビルの外壁診断や塗装も見込む「多目的壁面作業ロボ」ロボット(1/2 ページ)

三菱地所は2019年3月4日、日本ビソーと共同で、多関節アームを装備した「多目的壁面作業ロボット」の実証実験を東京都千代田区の「新丸の内ビルディング」で行った。

» 2019年03月05日 06時00分 公開
[石原忍BUILT]

 三菱地所と日本ビソーは共同で、多関節アームを備えた多目的壁面作業ロボット「MWR-1(Multi-Purpose Wall Working Robot)」を開発した。2019年3月4日に、東京都千代田区の「新丸の内ビルディング」で実証実験として高層階の外窓清掃を行った。

人の動きを模倣した自由自在な動きで幅広い作業に活用

新丸の内ビルディングでのMWR-1の清掃デモ。実証実験用に柔らかい印象を持たせる顔を表示するモニターを設置
清掃デモ
MWR-1の構成

 開発したMWR-1は、製造業の生産ラインで実用化されているマニュピレータ(7軸多関節アーム)を搭載。実験では外窓清掃のデモが行われたが、先端のヘッド部分を付け替えることで、将来的には外壁調査・診断、塗装、シール打替えなどの諸工事対応などでの利用が想定されている。ロボットのサイズは幅3200×高さ2000×奥行き940mm(ミリ)。

 実験では、清掃作業者が普段使う窓清掃用スクイジーを作業ヘッドに使用。ウインドーモップも備え付け、マニュピレータによる人の動きを模倣した「手拭き方式」でガラス窓を縦横自在に拭いた。従来の自動清掃ユニットは、窓全体を一度に拭く「縦拭き方式」だったが、柔軟な関節を持つことで、すみずみまで動けるため、拭き残しが少ない。

 さらにベースシステムは同じまま、ヘッドの交換だけで、他の作業も行えるようになり、1台のロボット導入でビルメンテ業務のトータルコスト削減を見込む。

7軸関節で自由な動きが可能に
ロボットに期待する「多目的」壁面作業例
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