北海道建設業信用保証、東日本建設業保証、西日本建設業保証の3保証会社は、毎年四半期ごとに行っている建設業の景況調査の最新版(2018年10〜12月分)を公表した。2018年度第3四半期の概況を見ると、景気が悪いとは回答したのは「関東」が最多。業界の課題である人手不足も改善が見られず、人材を獲得・確保するための賃金上昇が、下請代金のアップに伴う負担増や下請け確保の難しさとして影響してきている。
北海道建設業信用保証、東日本建設業保証、西日本建設業保証の3保証会社は、合同で、2018年度第3回となる建設業の景況調査結果(全国版)を公表した。
調査では経営動向(地元建設業界の景気、受注、資金繰り、金融、資材、労務及び収益の状況)、経営上の問題点を年4回(3、6、9、12月)四半期ごとにリサーチ。今回の2019年1月分レポートでは、2018年10〜12月(第3四半期)の実績と、2019年1〜3月(第4四半期)の見通しを探っている。調査対象企業は2605社のうち、有効回答企業は2311社。
調査結果によると、全国における地元建設業界の景気(B.S.I.値)は、前期(2018年7〜9月:第2四半期)に比べ、1.0ポイントマイナスとなり、今期(2018年10〜12月:第3四半期)は▲4.0に縮小はしたものの、「悪い」と見る傾向いは継続。地区別では、近畿および中国を除く全ての地区で、「悪い」となっており、中でも関東は▲10.0と、最もマイナスが拡大している。
受注総額(B.S.I.値)は、前期と同じ値で、「減少」が続く。地区別では、景気同様に全地区で「減少」となり、「関東」は▲12.0と最も悪い結果となった。
来期の第4四半期の景気見通しは、第3四半期と比較して、マイナスが3.0ポイント増加し、より悪化することが懸念される。地区別、業種別、規模別でも、全区分で「悪い」傾向の見通しが示されている。
主要項目別に今期と来期の要因を分析すると、来期は受注の全体総額で「減少」が強まる見通し。受注のうち「官公庁工事」は一度下げ止まった2018年1〜3月期から、「減少」し続け、第4四半期にはここ2年度で最大の▲12.5まで下落する見込み。
一方で「民間工事」も、過去10年で2013年度の第3四半期を頂点として以降、「減少」傾向にあり、第4四半期には▲8.5まで落ち込む。
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