「資金繰り」に関しては、今期は支払手形の平均サイトは「91〜120日」「90日以内」の順。受取手形は、「91〜120日」「121〜150日」で比較的「容易」な状態が継続している。ただし、来期の資金繰りは、2016年度の第3四半期に前期比▲0.5マイナスだった時以来、「厳しい」に転じて▲2.5となる。北海道と東海を除く地区では難しくなる見通し。
銀行などの貸し出し傾向は、今期・来期ともに「容易」。しかし、短期借入金は「減少」で、短期借入金利は、「不変」とする企業が9割強を占め、基調は変わらないものの、下降は続く。
「資材」の調達は、今期・来期は同様の結果で、ここ最近は難しくなっており、2018年第2四半期から前期割れが2期連続で続く。第4四半期は、▲6.6に転落する。資材価格については、2016年度の第2四半期からの上昇傾向は変わらず、引き続き資材価格は上昇している。2018年度の第4四半期は前期比で18.5ポイントのプラス。
特に調達が困難なものとしては、建築では「形鋼・厚板」や「棒鋼」、土木は「鋼矢板・鋼管」。資材価格が上昇したものは、「生コン・セメント」。他に土木で「コンクリート2次製品」「砂利・砕石・砂」、建築は「形鋼・厚板」「鋼矢板・鋼管」。
建設労働者の「賃金」は、今期・来期ともに上昇は変化なし。人材の確保は、2011年3月を起点に前期比マイナスが拡大しており、人手を確保するのは依然として厳しい状況にある。
より詳細にみると、確保が困難な職種は、土木が「普通作業員」「特殊作業員」「型枠工」の順番。建築は「型枠工」「大工」「鉄筋工」が不足している。設備では特筆して「電工」「配管工」が足りていない。「軽作業員」は比較的容易に補える状態にある。
全国の建設会社における「収益」は、減少しているのは変わらず。要因として挙がるのは、「完成工事高の減少」(80.0%)が最多で、次いで「競争激化」(37.6%)、「人件費の上昇」(27.6%)。これ以外に、ここ数期は「下請代金の上昇」(26.1%)も上がってきており、2019年度は「人件費の上昇」を上回る可能性がある。
現在、建設業が直面している経営上の課題では、「人手不足」(72.3%)が首位。「従業員の高齢化」(53.1%)と合わせてここ数年、増加している。他に「受注の減少」(37.0%)や「競争激化」(34.9%)は若干下がりつつあるものの、2018年度に入って大幅に増えた「下請の確保難」(26.7%)よりも、まだ高い回答数となった。
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