計測の流れとしては、まず機材の取り付け角の調整を行う。可能であれば半年に1度は確認し、IMUとレーザーの取り付け姿勢角(ロール、ピッチ、ヨー)を調整=ボアサイトキャリブレーションして、どのぐらいのズレがあるか調べ、屋根や平たんな地形を利用して補正をかける。
次に、要求精度に応じた飛行計画を立案し、水平位置、高さ精度を確保するために基準点(評定点)を設置して観測。その後、実際にレーザーの計測、GNSS・IMUの高精度化や点群を生成する。
レーザーは360度のデータを取得するが、真横は精度が悪い。真下から45度づつの角度で計測するのが一般的。回転しながらのデータ取得となるため、外に行けば行くほど取得範囲が広がっていく現象があり、その部分は飛行計画であらかじめ見込んで立案しておく。
後処理では、キネマティック解析とIMU統合解析を一緒に行って高精度化し、専用ソフトで3次元点群データを生成。旋回や向きを変えた不要なデータは削除して、隣接コースとの標高較差を確認する。計測エリア全体の水平位置、高さを確認して、成果品として出すまでが一連のフロー。
今後の運用上の課題としては、GNSSや写真測量に関する正しい知識を身に着けること、SfM処理は従来と変わらないが評価すべき数値への理解が必要なこと、RTKに用いる基地局精度およびSfMの特性上、撮影状況によって高さ方向のシフト誤差(オフセット)が発生することへの考慮、携帯圏外の場所では後処理キネマティック解析が求められることなどが挙がった。
最後に、UAVレーザー測量をする上で機器選定の注意点として、「どれぐらいのグレードを求めるか、要求精度・品質にあった機器を選定する。機器の性能・計測方法・運用のしやすさを組み合わせ、運用方法のバランスが重要となる。その際には、取得する点群数ではなく、精度の要となるIMUのスペックが重要となる。i-Construction、公共測量、インフラ点検などの用途を想定し、利用環境も考慮して、どのIMUを選ぶかがUAVレーザー測量では不可欠だ」とした。
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