ネクスコ東日本エンジニアリングは、高性能カメラを搭載した橋梁(きょうりょう)の点検困難箇所への新たな点検手法「スパイダーeye」を展示。スパイダーeyeは、橋梁床版下面のひび割れを検知する「標準タイプ」と、隅角部に威力を発揮する「昇降タイプ」の2種類がある。
標準タイプは、2020万画素のデジタル一眼レフカメラを備え、重量は7kg。肉眼と同レベルで変状を把握し、撮影した画像から損傷やインフラ点検の基準とされるひび割れ幅2.0mm(ミリ)以上を判別。撮影した画像は合成してラテラル除去でき、機器の操作はシンプルに手動で行う。
昇降タイプは、1850万画素のコンパクトデジタルカメラで、昇降高さは約1.2m(メートル)。機器のカメラを上下左右に首振りする“パンチル機能”があり、桁下から見えにくい箇所を撮影。画像からは、鋼材の腐食や塗装劣化、塗膜割れが確認できる。
主な導入先として、検査路が設置されていない主桁間および張り出し部の他、昇降タイプは片側3車線の中分側張り出し部や大規模な遮音壁が設置されている橋梁点検車の届かない道路が想定されている。
また、同社は、BIMモデルやモバイル端末を活用した点検支援システムも提案。展開図の点検データをモバイルPCなどに登録し、点検現場で変状のスケッチと詳細情報入力、wi-fi機能付きのカメラで写真撮影を行う。これにより、現場に印刷物の持参は不要になる他、管理事務所での作業も軽減される。
3Dモデルは、一般的な橋梁であれば、諸元情報を入力するだけで、短時間で3Dモデルが作成できる。点検現場で記録した変状を3Dモデル上に表示させれば、実物に近い状態で一目で可視化できる。点検結果のデータは、サーバ上で管理することで、これまでの点検を管理して、後に経年変化を参照することが可能になる。
この他、ブースでは中日本ハイウェイ・エンジニアリングによるドローン点検、西日本高速道路エンジニアリング中国のソーラパネルや制御盤を搭載し、標識をリモコンで自動回転させる「E-標識ローテ―タ―」などが出品された。
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