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» 2018年12月05日 09時00分 公開

BIM:Revit向け鉄骨ファミリの仕様を共通化、鉄骨ファブ会社とのデータ連携可能に

オートデスクは、大林組、清水建設、大成建設などの協力を得て、BIMソフトウェア「Autodesk Revit 2019」向け構造用ファミリの提供を2018年12月4日から開始した。提供するファミリは、鉄骨の構造を生産、施工するために必要な設計データの種類について、ゼネコンと鉄骨ファブリケータなど、異なる会社間でも円滑に利用できるように標準化を行ったもの。

[石原忍,BUILT]

 大林組、清水建設、大成建設の3社は、Revit構造用の鉄骨ファミリの仕様を共通化させ、オートデスクに提供。これらのファミリ部材を2018年12月4日から、オートデスクはWeb上で公開。同日には、東京・晴海のオートデスク本社で記者説明会を開催した。

鉄骨ファブ会社が設計情報をそのまま生産工程で利用可能に

大成建設・大越潤氏

 会見では、3社を代表して大成建設 設計本部 構造計画部・大越潤氏が登壇。大林組、清水建設、大成建設が行ったRevit構造ファミリの共通化を解説した。

 ファミリ共通化は、2016年に活動をスタートさせた大手ゼネコン数社から成る「BIM Summit」内で組織された「構造分科会」によって進められた。共通化を行った背景には、各社が独自のBIMを構築し、自前のファミリを整備してきたことで、ゼネコンによってファミリの仕様が異なり、鉄骨ファブリケータはこれに個別で対応しなければならない問題があった。

 そこで分科会では、毎月定例会を開催し、3社の構造設計で使うファミリを持ち寄って、共通仕様とすべきパラメータを洗い出し、パラメータ名称を統一。以前は、RC柱で言えばA社では幅×高さ、B社ではB×Dと、同じ意味でありながら名称が異なったため、鉄骨ファブリケータへのデータ受け渡しの際にマッピングが必要となり、情報連携や流通性を阻害していた。

鉄骨専用CAD連携の現状

 共通化により、Revitと鉄骨専用CADとの連携が可能になることで、鉄骨ファブリケータが設計情報をそのまま生産工程に利用することが実現する。複数の組織間や業務プロセスを跨いだ生産性向上につながる。

 今回、共通化された鉄骨ファミリ数は、形状・継手数などが異なる柱や梁(はり)でそれぞれ数種類のファミリが用意され、まずは標準的な鉄骨を対象に20種類ほどとなっている。

今回提供する鉄骨ファミリ一覧
ファミリから部材を選択している画面

 ファミリの読み込みは、ファミリ名と同じ名前のテキストファイルを作成し、カタログをタイプとして登録。ファミリロード時にはカタログ一覧が表示され、選択した部材をタイプとしてロードすることができる。

 構造分科会では3社の共通化をベースに、将来的には他社も含めた鉄骨ファミリの“国内標準化”を目指す。そのために、RUG(Revit User Group)のテンプレートや一気通貫が可能になるRevitファミリライブラリへの適用も行う。その先には、躯体図の作成が求められる鉄筋コンクリート(RC)の国内標準化を進めていくという。

オートデスクの構造BIM連携による効率化

 オートデスクからは、フィールド マーケティング・泉昌一郎氏が「オートデスクの構造BIM連携による効率化」を紹介。BIMによる連携とは、意匠、構造、設備、施工、維持管理など、現状で統合(Integrated)されていないツールをRevitを中心に据えてつなげることで、シームレスな情報連携と効果的な業務プロセスの最適化を図っていく。

オートデスクのIntegrated BIMの取り組み

 現在、Autodesk App Store上では、Revitに対応するアドインソフトを提供している。このアドインのうち、最近では、buildingSMART Japanで推奨されている国内標準仕様の「ST-Bridge」のデータを読み取り、柱、間柱、柱脚、大梁、小梁などをRevitのモデルとして生成するアドイン「ST-Bridge Link」で、新たに旭化成建材、岡部の柱脚の262点のファミリを追加した。

「ST-Bridge Link」柱脚自動配置

 他に、一貫構造計算プログラム「SAIN La CREA」、RC/SRC/S構造物の高機能一貫構造計算ソフト「BUS-6」、鉄骨専用精積算/BIMソフトウェア「すけるTON for Revit」、鉄骨CAD/CAM「FAST Hybrid」といった他社ソフトとの連携も行っている。

大林組、清水建設、大成建設の構造分科会メンバー

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