地理空間情報科学で未来をつくる「G空間EXPO2018」、G空間を駆使した最先端技術が集結G空間(3/3 ページ)

» 2018年11月17日 05時00分 公開
[石原忍BUILT]
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小型かつ軽量化で用途を拡大させた「MMS−G」も発売

 BIM/CIM、i-Constructionの各種ツール提供や自動運転技術の開発に取り組む三菱電機とアイサンテクノロジーは、モービルマッピングシステム(MMS)やドローン測量システムなどを展示。

 MMSは、専門作業者を必要とせず、簡単に計測が可能なシステム。自動車で走行しながら建物、道路、白線、標識などの3次元位置情報を高精度に取得する。

 MMSで計測した3次元レーザー点群やカメラ画像からダイナミックマップに必要な要素を自動抽出して図化。差分の抽出技術でも、過去データと最新データから、データの特徴点抽出によるマッチングで、差分点のみを抽出する。変化を可視化することで、例えばトンネル計測であれば、耐久性の劣化や変形を検知することにつながる。

モービルマッピングシステム搭載車

 また、本体だけを外してレールの台車に設置することで、地下鉄や鉄道トンネルといった完全な屋内環境からでも、方位と姿勢を検知して計測。取得データから建築限界を確認することも可能だ。

 オプションで路面センサーを追加すると、路面性状の計測にも対応し、アスファルトのひび割れ、わだち掘れ、平たん性に関するデータを同時に取得。新旧データを重ねることで、道路形状の変化を確認できる。2018年12月には、小型かつ軽量化により、輸送や着脱が容易な上、自動車、鉄道、船舶、台車などの多くの計測用に活用できる「MMS−G」の発売が予定されている。

現在の計測データと過去データの比較

 他のブース展開では、世界中の地図学に関わる研究者が集う「第29回国際地理学会(ICC2019)」が39年ぶりに2019年7月に東京で開催されるアナウンス、屋久島全島の航空レーザー計測や空から森林の状態を診断する国際航業の取り組み、2018年7月豪雨で活躍した災害対応支援GIS、日本測量協会のUAVフライトシミュレーターなどに多くの関心が寄せられた。

ドローン測量の紹介
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