CIM(Construction Information Modeling)の活用では、桟橋などを対象に簡易プロポーザルまたは総合評価方式で10件の設計業務を公告済み(2018年9月30日時点)。既存のCIMに関するガイドラインやモデル業務の実施結果などを踏まえ、3次元データを活用した港湾施設の設計業務を実施する上で必要なCIM導入ガイドライン(港湾編)をとりまとめる。
ガイドラインにおけるCIMモデルの作成範囲は、「地形モデル(海底地盤面)」「地質土質モデル」「構造物モデル(桟橋:上部工・本体工・付属工)」「統合モデル」。詳細度は上部工400、本体工(杭)300、付属工300、地形(海底地盤面)200。
監督・検査の省力化の取り組みでは、北陸地方整備局が3件の工事で行った「写真管理システム」「出来形・品質管理システム」の導入例の他、日本埋立浚渫協会での施工管理情報の一元管理などが示された。写真管理システムは、電子黒板を作成・撮影し、サーバに送信。サーバ上で写真を自動整理するもので、出来形・品質管理システムと連動して、写真の分類と同時に出来形管理表の作成が自動で行われる。
施工管理情報の一元管理は、これまで出来形・写真・計測データをPCで管理していたものをクラウドで一元的に管理する取り組みで、出来形や電子小黒板の情報も現場で、タブレット入力するだけでクラウドにアップロード。将来的には、現状でPCを介してクラウドにアップされているCIMモデルも統合して、出来形管理図表とひもづけ、3Dモデルに属性が自動で付与される仕組みを想定している。
港湾分野でのICT活用に向けたロードマップでは、ICT浚渫工は2019年度に施工の試行工事を実施。積算要領(施工)の検証・改定を行い、翌2020年度に施工の本格運用に入る。ICT基礎工とICTブロック据付工はモデル工事から2019年度には試行工事へと段階を進める。同年度にケーソンなどの本体工はモデル工事をスタートさせ、要領の整備にも入る。
CIMは、設計では2019年度に試行業務を発注し、施工段階のモデル工事は2019年度内に実施して、2021年度をめどに維持管理への展開を図る予定だ。
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