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» 2018年10月10日 12時00分 公開

Autodesk University Japan 2018:“10兆円企業”を目指す大和ハウス工業が成長基盤と位置付けるBIMへの取り組み (4/5)

[宮城谷慶一郎,BUILT]

“効率的に仕事ができる”点を非常に重視

伊藤 その過程で、従来の企画設計を中心とした意匠テンプレートを捨て、大成建設のBIM規格による基本設計・実施設計メインの新たなものに全面移行した。なぜ全面切り替えを行ったのか、それは効率的であるか否かに尽きる。“効率的に仕事ができる”点は非常に重要で、Revitの運用が手間ばかりかかるものであれば誰も使わず、余分にコストだけがかかってしまう。大成建設のテンプレートは、最初は半信半疑だったものの、日本仕様の構造・設備モデルが作成でき、使ってみれば建築確認申請に提出しても何ら問題のない域に達していた。

 さらに大成建設では、Revitの初期ファイルに当たるテンプレートだけでなく、BIMのモデル・図面化に必要な構造材などの「ファミリ」整備、作業性を高めるカスタマイズツール、ファミリ作成指針、モデリングと図面化のガイドラインなどを取りそろえ、誰もが実務対応できる仕組みを作っている。これが、BIMスタンダードの一つの形ではないかと思う。

モデリングガイドライン

伊藤 続いてBIMによるプロセス改善について述べたい。現在、建築に携わる者であれば誰しも「フロントローリング」の必要性は感じているであろう。ただ、実際に取り組む人は少ない。例えば、原寸値の議決事項は、数えればキリがない。これが多いということは、その分だけ“手戻り”が発生していることになる。仕様決定やメーカー選定の期間を短くするには単独の部署だけでは難があり、購買・工場を含め全体的に議論を交わす必要がある。

 私はBIMを生かした連携により、新しいことへ着手するだけでなく、いま抱える問題を解決することも重要なテーマだと考えている。各方面の部署が協力し合い、さまざまな課題をクリアしていく中で、仕事のプロセスも変革する。それが結果的に後工程や手戻りを減らし、大きな利益へとつながっていくものとなる。

 続いて、さまざまな場所で作業する多分野のチームのクラウドシェアリングや設計コラボレーションを可能にする「Autodesk Collaboration for Revit(C4R)、現:Autodesk BIM 360 Design」の特徴を説明する。BIMにとって、C4Rは非常に重要で、意匠・構造・設備全てのRevitデータをワークシェアリングし、同期できるということは、協力会社ひいては海外でも同時に設計が進められる。Revitを十分に扱えない担当者であっても、それを互いに補うこともできる。

 また、図面の確認に使う「Autodesk BIM 360 Docs」であれば、2D/3Dのデータを問わずRevitと整合性のとれた図面が統合的に管理できる。過去と現在の図面間の比較も図れるような機能もある。

 これらの性能をベースに、建築確認検査機関の日本ERIと、BIMモデルによる確認申請を今回行った。

BIMモデルによる建築確認申請

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