点群データは、施設や構造物全体のXYZ座標値を担い、HoloLensのWorld Anchorは部屋ごとなどのローカル座標を示す。ローカル座標は、XYZに対応する3つのポイント「既知点」を取ることで、座標変換ができるようになり、全てのARオブジェクトの位置と向きをDynamo上で属性情報を登録することで、点群データに反映させられる。画像だけでは位置情報が分からず、点群データだけでは構造物のひび割れは把握できないという問題点が2つのデータを重ねることで解決される。
具体的には、HoloLensで撮影したARオブジェクトは、Dynamoを組み込んだCIMソフトウェア「3ds Max」「Revit」で制作したCIMモデルに反映。点群データは、3Dスキャンソフト「ReCap」または「AutoCAD」で読み込み、両方のデータはレビューソフト「Navisworks」に出力される。
倉橋氏はまとめに「インフラの維持管理は、調査・点検から、診断評価、措置、記録までの“メンテナンスサイクル”と、計画から、措置、事後評価、計画改善までの“マネジメントサイクル”の2つのサイクルを上手に回すことが重要だ。そのためには、CIMモデルなどを用いた構造物の情報の適切な整理や表示が不可欠になる」と提言して締めくくった。
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