VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集
インタビュー
» 2018年09月12日 06時00分 公開

建設×VR/AR/MR:新築営業の8割で利用、積水ハウスが提案する“ヴァーチャル住まいづくり” (2/2)

[石原忍,BUILT]
前のページへ 1|2       

打ち合わせ時に不在でも、QRコードで家族が住まいづくりに参加

大塚店長

大塚 VRで“未来の我が家”を目の当たりにして感動される方も多い。図面や会話だけでは伝わりにくい、天井の高さや吹き抜けのイメージなどを3次元で確認してもらうことで、顧客満足度アップにつながっている。映像を見て気になった部分は設計に反映させられるので、より顧客のニーズを明確にくみ取ることができるようになったという実感がある。

橋本 VRデータはサーバに上げ、仮想空間内でリビングなどの画像をキャプチャーすることで、3DCGの内観モデルとして営業提案の資料としても使っている。タブレット上で、窓から見える風景をデイ&ナイトなどに切り変えて、表情の違いを視覚的に分かりやすく見せている。

 印刷した図面や3DモデルにはQRコードが印字され、これを読み込むことで、営業担当者がその場にいなくてもVR体験が可能だ。自宅にいながら臨場感ある空間を体験できることで、住まいづくりの夢や新居のビジョンを家族間で話し合えるコミュニケーションツールにもなっている。

 また、打ち合わせの際に不在だった方や遠方に居住する親族でも、QRコードを送るだけで、新しく建つ家のイメージを体感することができるのもVRのメリット。図面を前にした机上だけの対面プレゼンにはない、住まいづくりの新たなプロセスが実現した。

3DCG上で昼と夜の風景をそれぞれタブレットで表示
シャーウッドのVR空間
技術業務部・橋本課長

橋本 使用しているヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、住宅展示場では高性能な機器を置いているが、通常はスマートフォン用の紙製で組み立てタイプのものを営業先で配っている。これにより、スマートフォンがあれば手軽に誰でも、どこでも、何度でもVR体験が楽しめる。

 昔から、「家は3回建てないと理想の家にはならない」といわれる。VR技術を活用したリアルな空間体験で、初めての新築住宅の購入であっても、着工前に具体的なイメージを顧客と共有することができ、満足度の高い住宅を建てることができる。

紙製の組み合立て式HMDと展示場で使用している高性能HMD

大塚 内装は、インテリアサーチという独自のサービスを行っている。営業先で、タブレットから専用ページを表示し、嗜好を探る選択式のQ&Aにタップして答えてもらうと、好みに合った内装のカラーやインテリア製品などが表示される。これをVR空間に配置することで、より要望に近いイメージを演出している。

 次の展開として、リノベーション需要をすくい取るために、注力しているエクステリア分野でもVRや3Dモデルを活用していきたい。現在はCGで内装イメージを2パターン制作して、タブレットとの画面をスライドすることで、違いを一目で確認。これをVR上でも、玄関やテラス、バルコニーなどのエクステリア領域にも適用していきたい。

橋本 CGの画質は年々あがってきているので、より没入感を深められるVRデータは製作できるようになるだろう。現状ではVR体験はHMDを使って1人が仮想空間に入り込むことしかできないが、複数人が参加できるようになれば、VR上で家族会議なども行えるようになる。VR技術のさらなる発展に期待したいところだ。

鉄骨住宅のVR空間
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.