セミナー後半では、スタイル、ウッド、マテリアル、カラー、パターン、フォルム、キッチンの各カテゴリーでの分析と、これからのトレンド予測を解説。今後の見通しでは、「3年のサイクルにより、2020年まではシンプルスタイルが続く見通し。その後、デコラティブへ回帰するが、全体としてもジグザグしながら、緩やかにデコラティブ方向へシフトするのではないか」と仮説を述べた。
具体的には「木目」は、2020年以降、イタリアンウッド、シカモア、レアウッドといったエレガントかつラグジュアリー系の材種が主役となり、材色はミディアム〜ミディアムダークがメイン。仕上げ(フィニッシュ)はマット系が減り、半艶系が増加する。塗装表現も、グラデーションや抑揚を効かせた仕上げのバリエーションが拡がりを見せる見通し。
マテリアルは、現在の素材力そのものの良さを表現する方向性が続く一方で、ガラスやセラミックの新素材の他、パターンと素材の融合、または異なる素材を対比させたコントラストが人気となる。次に来るカラーについては、「ニュアンスカラー」と定義し、微妙な雰囲気の色や歴史や地名、または自然からインスピレーションを受けた色彩の傾向が強まると推察した。
梅崎氏は、これからのキーワードとして、新たな概念「エモーショナル・インテリジェンス」を提言。感情をくみ取り、知性で考察して意匠に昇華させるデザイン考案のスタンスが主流になるとした。
また、従来のデザインを構成する「CMFP」に今後重要度が増すレイアウト(Layout)とスケール(Scale)を加えた「CMFPLS」が重要になるとして、「これまでの家具のモノとしての魅力発信だけでなく、機能や性能を含めた空間全体の“コトの提案”がより増えていく」と言及。
1986〜2018年のミラノヒストリーから見えたことは、「新しいデザインでも、過去のものを踏襲するRedesginが繰り返し起きており、デザインの歴史はつながっている」と締めくくった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.