ヒューマンタッチ総研は2018年8月31日、2019年3月期の第1四半期決算から見る建設市場動向のレポートを公表した。総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業の主要10社の合計売上高は、前年同四半期を上回り、とくに土木工事業と管工事業の好調ぶりが際立つ結果となった。
ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は、「総合工事業(ゼネコン)」「土木工事業」「電気設備工事業」「管工事業」の4業種に分類して、2019年3月期第1四半期決算から見る市場動向をまとめた。対象は3月期決算で2018年3月期売上高の上位各10社(ゼネコンは非上場の竹中工務店を除く)。
レポートによると、各業種主要10社の2019年3月期の第1四半期決算(連結)では、4業種ともに売上高の合計は前年同期を上回った。
土木工事業と管工事業は、経常利益についても前年同期を上回っており、特に管工事業は経常利益が前年同期比128.7%と大幅増で、好調ぶりが顕著に表れた。一方で、ゼネコンと電気設備工事業は、売上高は堅調だが、経常利益は前年同期を下回り、伸び悩んだ形となった。
各業種別では、総合工事業(ゼネコン)は、10社のうち、5社が減収・減益となり、利益面ではやや厳しい決算になった。ただ、2019年3月期通期の業績予想では10社中6社が減益予想で、第1四半期での減益は織り込み済みとみられる。
ゼネコンの中でも大きく伸長したのは、長谷工コーポレーションで、売上高で前年同期比121%、経常利益で131.2%。同社のIRでは要因として、分譲マンション新築工事で首都圏で200戸以上の大規模物件6件を含む14件、近畿・東海では1件を受注し、マンション建築工事の施工量と不動産の取扱量が増大したことを挙げている。
増収増益だったもう1社の前田建設工業は、住宅建設への投資が弱含んでいるものの、公共および企業の設備投資は堅調に推移しているとする。安定した受注環境を背景に、経常利益は前年同期比120.3%増の80億円あまりとなった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.