国土交通省は、BIMガイドラインの改定を行った。主な変更点は、施工BIM作成の発注者指定を明記したことと、施工段階での適用方法を複数追加で示したことの2つ。これまで施工BIMの活用は、“受注者”側からの提案のみとしか記載していなかったが、新たに公共工事で発注者指定による施工BIM作成を想定した形を盛り込んだ。2018年度に実施する施工BIM試行工事から改定ガイドラインの適用を開始する。
国土交通省は、3Dの建物情報モデルを構築する「BIM(Building Information Modeling)ガイドライン」の改定を行い、2018年8月1日付で公共建築工事に活用できるように各省各庁、都道府県、政令指定都市の関係部署に情報提供した。
今回の改定は、建築分野の生産性向上に向けた基準類改定の第3弾にあたる。国土交通省が推進する建設業の生産性向上を目的とした「i-Construction」の一環として行うもので、改定によりBIM活用のさらなる充実を図った。
改定理由としては、国土交通省は、2018年度内に発注する官庁営繕費の全新築工事で、施工時にBIMを作成する施工BIMを発注者指定で試行的に導入する。既に、国が発注した入札契約方式が技術提案評価S型の新営工事3件で、発注者指定によるBIM試行を実施。仮設BIM、デジタルモックアップ、吹出・照明類の位置調整、干渉チェックで、BIMを活用し、関係者間の遅滞ない合意形成を行い、省人化効果を検証する。
BIMガイドランは2014年8月、官庁の営繕事業を対象に、BIMモデル作成および利用についてとりまとめたもの。今回の見直しは、発注者からのBIM指定の想定と、施工段階におけるBIM活用方法の充実の2点。
発注者指定は、2018年8月2日時点で国土交通省 営繕部が発注した工事のうち3件で、発注者からBIM作成の指定があったことを受け、ガイドラインの中でこれまで受注者側からの提案のみを想定していた部分に、新たに発注者からの指定を明記。発注者サイドの指定で、受注者がBIMモデルを作成し、互いに技術的検討を行うことを示した。
一方、施工段階におけるBIM活用方法の充実では、いままで干渉チェックのみだった活用方法を「施工手順・施工計画などの検討」「施工図など作成」「デジタルモックアップ」などを追加して拡大。
施工手順・施工計画では、BIMモデルを利用して、施工計画、施工手順を検討(仮囲い、仮設足場、揚重機などの検討を含む)する場合は、検討目的に応じて必要な建物形状を入力。施工の進捗に応じた各段階の検討を行う場合は、各段階の進捗に合わせた建物形状を入力するとした。
施工図の作成では、必要な範囲の建物部材について、必要な詳細度でBIMモデルを作成するデジタルモックアップは、検討する目的に応じて、必要な範囲の建物部材について、必要な詳細度でBIMモデルを作成することを明示している。
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