設備台帳とBIMデータが連動、ビルの維持管理を効率化FM

清水建設は建物情報を一元的に管理できる建物維持管理支援システムを開発した。設備機器台帳をベースに、BIMデータなどの竣工図書や修繕・改修記録、維持保全計画などのデータを連動させ、設備機器の情報を取得しやすくし、管理業務の効率化に活用する。

» 2017年05月01日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 清水建設はグループ会社でビル管理事業を手掛けるシミズ・ビルライフケアと共同で、建物情報を一元化した建物維持管理支援システム「s-BMマスター」を開発した。設備機器台帳をベースに、竣工図書や修繕・改修記録、維持保全計画などのデータを連動させ、設備機器の情報を取得しやすくする。

 建物竣工後の維持管理に伴い設備機器の状況確認が必要となった際、従来は対象機器の情報を設備機器台帳や竣工図などから抽出し、関連する設備系統などを読み解く必要がありました。こうした作業には熟練のノウハウを要し、手間と時間がかかる。このため、不具合などの発生時に求められる迅速な初期対応が困難になってしまうという課題があった。

 開発したs-BMマスターは空調、衛生、電気、建築設備機器のメーカー情報、型番、仕様などをリスト化した設備機器台帳の情報をベースとする。これにBIMデータや竣工図、製作図、取扱説明書などの竣工データと、不具合対応記録や機器点検手順書、点検報告書、修繕履歴などの維持管理データを連動させることで、紙ベースや分散管理だった建物情報をPC上で一元的に管理できるようにした。

「s-BMマスター」のイメージ 出典:清水建設

 例えば緊急時に操作すべきダンパーの設置位置を確認する際、台帳画面の機器リストから該当機器を選択し、BIMデータの表示ボタンをクリックするだけで当該機器や設備系統を色分け表示した3次元図面を即座に閲覧できるという。

 今後はs-BMマスターをビルマネジメント業務の効率化提案に活用し、ビル管理業務の受注拡大につなげたい考え。同時に建物の新築のみならず竣工後の維持管理も含めたライフサイクル全般にわたる建物サービスの提供に注力していく。

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