ビル管理に「スマートグラス」を実戦投入、遠隔から若者に技術を伝授FM(2/2 ページ)

» 2017年04月24日 06時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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実際の使い方のイメージは?

 会見ではすみだ水族館のバックヤードを利用し、スマートグラスを利用した点検業務のデモンストレーションが行われた。スマートグラスを装着した作業員がバックヤードにある分電盤の前に移動する。離れた場所にいる管理者はPC上に送られてくるリアルタイム映像で移動したことを確認すると、「分電盤に表示されている計測値を読み上げてください」と伝える。その際に、PC上から読み上げて欲しい部分にマウス操作で丸をつける。すると、作業者の視界には現実の分電盤の上に「丸」が現れるというイメージだ。なお、通信環境には作業者携帯する小型のWi-Fiルーターを利用している。

分電盤の前に到着した作業者(クリックで拡大)
管理者のPCには作業者の視界が映像として送られてくる(クリックで拡大)

 このように直接作業を指示するといった使い方だけでなく、PCから設備の図面や説明書を作業者の視界に表示させるといった支援も可能だ。なお、管理者のPC上から撮影ボタンを押すと、任意のタイミングで静止画を切り出すことができる。作業内容を画像として記録しておきたい場合に有効な機能だ。実際の作業者と管理者の“ダブルチェック”となるため、作業品質を高められるというメリットも期待できるという。

 なお、作業者の装着するスマートグラスで撮影した映像は、管理者のPC上に保存できる。後で撮影した映像を利用して作業内容を確認したり、報告に活用したりといった使い方も可能だ。なお、スマートグラス本体には画像や映像などの情報は保存されない。

 オリックス・ファシリティーズはこうしたスマートグラスの機能を活用し、作業精度の効率化や精度の向上によるメリットだけでなく、教育面での活用も進める。例えば熟練作業者が管理者となり、スマートグラスを装着した新人に対してリアルタイムに作業を指示していく。作業のポイントやコツ、注意すべき点などを直接伝えることができる。遠隔地から指示が行えるため、熟練作業者を地方の現場などに直接派遣しなくても済むというメリットもある。

 2017年6月から導入を開始し、ノウハウを蓄積した後は大京グループ各社に共有し、グループ全体でスマートグラスの活用を広げていく方針だ。

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