ゼロ・エネルギーを実現する日本最大の商業施設、愛知県に誕生省エネ機器(1/2 ページ)

年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロになる「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」を実現する商業施設が愛知県津島市に完成した。大和ハウスグループのロイヤルホームセンターの新店舗で、ZEBを実現できる商業施設としては日本最大規模になるという。

» 2016年04月21日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 愛知県君津市に大和ハウスグループのロイヤルホームセンターの新店舗「ロイヤルホームセンター津島店」(以下、津島店)が2016年4月21日にオープンした(図1)。

 同店舗は年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロになる「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」を達成可能な高い省エネ性能を備えているのが大きな特徴で、ZEBを実現する商業施設では日本最大になるという。

図1 「ロイヤルホームセンター津島店」出典:大和ハウス

 ロイヤルホームセンターは日用雑貨や住宅設備に関する商品を販売しており、現在全国54店舗に展開している。津島店の敷地面積は約2万1000平方メートル、延べ床面積は約1万3695平方メートルで、鉄骨造1階建ての店舗だ。

 ZEBの実現を目指すに当たり、同店舗の建設については平成26年度(2015年度)「ネット・ゼロ・エネルギービル実証事業(補正予算に係わるもの)」への採択による補助金を活用した。以下では導入した省エネ設備を見ていく。

自然エネルギーで省エネに

 津島店では太陽光などの自然エネルギーを活用して照明や空調の電力コストを削減する。屋根の上に別の棟をもつ小さな屋根を設置する「越屋根(こしやね)」を採用している。日中は越屋根の窓を通して店内に自然光をや風を取り入れることが可能になり、照明・空調電力を削減できる仕組みだ。

図2 「越屋根」の仕組み 出典:環境共創イニシアチブ

 越屋根の窓部には紫外線などの有害光線もカットする「日射調整フィルム」を採用し、採光性を高めた。この他にも高断熱材や、Low-E複層ガラスの採用などによって、建物外皮の省エネ性能も強化している。

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