ZEBを達成するためには、使用するエネルギーを最適にマネジメントして省エネを図っていくことも必要だ。津島店では事務所内に人感センサーを設置し、照明の消し忘れを防止できるようにした。さらに店内のCO2濃度に応じて必要最低限の換気を行えるシステムを導入することで、余分な空調負荷の軽減も図っている。
使用電力を「見える化」する仕組みも導入した。BEMSの導入によって水道メー ターの計測、空調・照明の電力量など店舗内のエネルギー使用状況を把握できるようにし、期間、 エリア、系統別に照明・空調のスケジュール制御を実施することで消費電力の削減を図るという(図2)。
さらに設定した使用電力量を超えないようデマンド(最大需要電力)を監視し、30 分後のデマンド値を予測。設定量を超過しそうになった場合は、自動的に空調出力が制御される。
店舗の屋上には1.2MW(メガワット)の太陽光発電システムを設置し、創エネも行う。発電した電力は全て中部電力に売電する。なお2015年度の「ネット・ゼロ・エネルギービル実証事業(補正予算に係わるもの)」では、全量売電した電力量もエネルギー削減量の計算に含められる。
省エネ設備の導入やエネルギーマネジメントによって、約67%の一次エネルギー消費量を削減し、さらに太陽光発電システムによる創エネなどで約760世帯分のエネルギー消費量を補うことで、ZEBを達成できるとしている。また、愛知県建築物総合環境性能評価システム「CASBEEあいち」においても、最高評価のSランクに相当する見込みだ。
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