初めての遠隔施工から約3年後の2020年、中和コンストラクションは同じ栗平川湛水池周辺の現場で、再び遠隔施工に挑んだ。最大高低差60メートルの崩壊斜面から不安定な土砂を掘削し、湛水池まで運搬する必要があったためだ。
課題は2つあった。1つは、強雨によって地盤が緩み、地滑りや土砂崩れが再発する可能性が高いこと。もう1つは、危険性の高い箇所で作業することで、オペレーターに心理的ストレスが掛かり、操作ミスや事故につながる恐れがあることだ。
そこで、快適かつ心理的ストレスも抑えるべく、操作室や映像環境を整備した。現場ではバックホー2台とキャリアダンプ3台の計5台に、後付け可能な汎用遠隔操作装置「サロゲート」を設置。建機には360度カメラや前方カメラを取り付け、遠隔操作室では前方映像、俯瞰映像、現場全体の映像を確認できるようにした。操作には、通常の操作感に近いレバー型コントローラーを採用し、現場と遠隔操作室はローカル4Gで結んだ。
さらに、約1カ月間のトレーニングを実施し、施工効率を検証した。トレーニング初期は搭乗操作に比べて遠隔施工では作業時間が約1.3倍かかり、施工効率は約75%に低下した。その後、カメラ位置やモニター視野角の調整、距離感を把握するためにモニターへテープを貼る工夫などを重ね、作業効率を約90%まで改善した。
実施工では、掘削作業で約85%、法面整形で約67%の施工効率となった。大浦氏は「掘削は十分な成果だが、法面整形といった複雑な操作には、まだ改善の余地がある」と話した。
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