数量拾いを12時間から10分に短縮するAIアプリ、renueと静岡の丸紅が開発AI

renueは、建設会社の丸紅と共同開発した「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」の先行導入受付を開始した。図面数量拾いの時間が、最大12時間から約10分に短縮するという。

» 2026年09月16日 09時00分 公開
[BUILT]

 AIコンサルティング業のrenue(リノイ)は2026年8月、静岡県島田市に本社を構える建設会社の丸紅と共同開発した「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」の外販に先立つ先行導入の受付を開始した。

最大12時間の数量拾いが約10分に、地方建設業と共同開発したAIアプリ

 工数見積もり業務の中核をなす「数量拾い」は、設計図面から構造物の名称、寸法、数量を目視で読み取り、手計算で集計する作業。丸紅では5〜6人のベテラン担当者が担い、1案件当たり2〜15時間を要していた。

 図面読解に求められる“暗黙知”がマニュアル化を困難にし、若手が参画する余地はほぼなかった。ベテランへの負荷集中は、見積書の提出遅延と受注機会の損失にも直結していたという。

 アプリでは、設計図面のPDFファイルをアップロードすると、AIが構造物の名称や寸法、数量を自動抽出する。

 駐車場の図面であれば、「車止め8個」「フェンス10メートル」といった一覧表を生成し、Excel形式で出力できる。

「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」の解析画面 「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」の解析画面 出典:renueプレスリリース

 抽出した箇所を図面上で自動的にハイライトする機能を備え、複数図面の一括処理にも対応。AIによる抽出結果は、あえて技術者が目視で確認する運用とし、現場導入をスムーズにする「AI×人」の協業モデルを目指した。

「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」の解析画面 「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」の解析画面 出典:renueプレスリリース

 最も劇的な効果としては、数量拾いの工程で最大12時間が約10分に短縮。合計工数は最大15時間から約4時間へ大幅削減した。AIの認識精度は高く、資材名の誤認はほとんど発生しなかった。

 定量成果に加え、質的変化もみられた。専門知識を持たない社員でも一覧表を作成できるようになり、ベテランに限られていた業務が若手や未経験者にも開放。付加価値の高い業務に人員を集中配置でき、組織全体の生産性向上につながっている。

 今回の先行導入受付は、数量拾いや積算業務の属人化に課題を抱える土木・建設会社を対象とする。実際の図面を使った検証から業務ヒアリング、定着支援までを提供。費用は導入範囲に応じて個別に見積もる。

 丸紅では従来、5〜6人のベテラン担当者が数量拾いを担当していた。設計図面から構造物の名称や寸法、数量を目視で読み取り、手作業で計算、集計するため、1案件当たり2〜15時間を要していたという。特に図面の読み取りには経験に基づく知識が必要で、若手社員が担当しにくい業務だった。

「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」導入効果 「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」導入効果 出典:renueプレスリリース

 丸紅とrenueは今後、2025年8月に共同開発プロジェクトを開始しており、今後は土木業界向けSaaSとして外販し、「地方×AI」が切り拓く建設業の新たなロールモデルを全国に展開していく方針だ。

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