バイオ炭がアンモニアの放散を抑える仕組みは、コンクリート内部の高アルカリ環境下で発生したアンモニアガスが、内部を拡散していく過程でバイオ炭と接触し、その表面の無数の空隙に吸着される化学的なメカニズムだ。
配合試験の結果、コンクリート1立方メートルあたり80キロのバイオ炭を混合した場合、強度などの所定品質を完全に満たした上で、アンモニア放散量を約75%削減することを確認した。
適用第一号は、2029年春の竣工を目指し、2026年4月から建設が進めている広島県広島市中区三川町の「泉美術館」に決定している。床工事を対象に、2027年4月頃に約250立方メートルの打設を計画する。
アンモニア対策を行わない普通コンクリートの場合、260リットルのアンモニアガス放出が試算されるが、SUSMICS-Caの採用で47リットルまでの抑制を見込む。打設後には、館内の空気質モニタリングを実施し、実現場の環境でどれほど短期間に推奨値をクリアできるかを検証する。
清水建設は現在、独自の「アンモニア濃度予測シミュレーションツール」の開発も進めている。コンクリートの配合条件や施工計画、施工中の換気回数、季節ごとの外気温変化などを入力すると、アンモニア濃度が基準値を下回る時期(枯らし期間)を推定できる。
今後の展開について矢野氏は、「SUSMICSシリーズが持つ本来のCO2排出削減効果に加え、今回のようなアンモニア放散抑制による空気質の改善や枯らし期間の短縮など、新たな付加価値を持つ材料を探求していきたい」と意気込みをみせた。
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